エアコンやクーラーには、カビが生えることがあります。カビは、人体に悪影響を及ぼし、健康を損ねる有害物質です。エアコンを安全に使用するためにも、カビが生える前に入念なカビ対策を整えましょう。エアコンにカビが生えるリスクや影響などをしっかり理解し、正しい掃除方法なども覚えておいてください。本記事では、エアコンのカビ対策をご紹介します。
- エアコンのカビについて
- エアコンのカビ対策法
- エアコンのカビ予防法
- エアコンのカビ対策でよくある質問
この記事を読むことで、エアコンのカビについてよく分かります。掃除方法と併せ、カビの予防法も覚えておきましょう。
1.エアコンのカビについて
エアコンから嫌な臭いがするのを感じたら、カビが生えている可能性が高いでしょう。カビが生えやすい場所やカビが生える原因などをご紹介します。
1-1.カビが生えやすい場所・環境
カビは、主にエアコンの内部で繁殖します。ファン・フィルター・吹き出し口・フィルターの奥にあるフィンなど、冷気によって水分が付着しやすい場所は注意が必要です。特に夏が過ぎて冷房を使わなくなった直後は警戒してください。冷房後に送風運転を行って乾燥しなかった場合、内部の湿気がこもりやすいため、カビが発生するリスクが高まるでしょう。
1-2.エアコンにカビが生える原因
エアコンにカビが生えるのは、エアコンの構造や仕組みが関連しています。エアコンの冷房運転は、外気をエアコン内に取り込み、空気を冷やし、室内に冷たい空気を送り込む仕組みです。吸気口からカビの原因となる菌などを取り込むため、内部の湿気と絡まり合って繁殖し、エアコン内部にカビが付着します。
1-3.エアコンのカビによる影響・怖い点
既述したとおり、カビは人体にとって有害な物質です。エアコンから排出された空気と同時に大量の胞子がばら撒(ま)かれます。カビを含んだ空気を吸い込んだ場合、喘息(ぜんそく)などの呼吸器症状やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を発症する恐れがあるのです。また、カビを取り除かずに放置した場合、症状はより悪化する一方でしょう。エアコンのカビは必ずしも目で確認できる場所にできるわけではないため、発見が遅れるのが怖いところです。アレルギー症状以外に、風邪のような症状が長引いているようなら、カビによる影響を受けている可能性があります。また、カビは人体だけではなく、エアコンにダメージも与えてしまうことがあるのです。見えない部分で劣化が進み、突然動かなくなることもあります。
1-4.カビの見極め方
エアコンのカビにいち早く気づくためには、エアコンから出る風の臭いに着目しましょう。以前より臭いと感じるようになったら、カビが生えている疑いが高まります。前面パネルを開き、内部にあるフィンやフィルターなどを細かくチェックしてみてください。
2.エアコンのカビ対策法
エアコンのカビ対策はどのようにすればいいのでしょうか? エアコンの掃除方法や手順などを解説します。
2-1.掃除の頻度
エアコンのフィルターは目詰まりを防ぐため、2週間に1回は掃除をするようにしましょう。フィルターに付着したホコリがカビのエサとなり、繁殖するきっかけを与えてしまうからです。また、フィルターの目詰まりは、エアコンの運転効率を悪くし、電気代を上げる原因にもなります。健康維持や光熱費削減のためにも、こまめな掃除を心がけてください。一方、エアコン本体の掃除は、1年に1〜2回程度が目安です。エアコンを使わないオフシーズンに行うようにしましょう。
2-2.エアコンのカビ対策で用意するもの
エアコンの掃除をするときは、ゴム手袋・歯ブラシ・綿棒・掃除機を使いましょう。フィルターの後ろにあるフィンの掃除には、市販されているエアコンのフィンクリーナーが適しています。掃除機は、細めのノズルや小さめのブラシキットを用意しておき、細かな部分のホコリをしっかり吸い取れるようにしましょう。
2-3.エアコンの掃除方法・手順
エアコンの掃除は安全を考慮し、エアコンのコンセントを抜いた状態で行ってください。まず前面パネルを開き、フィルターを取り外すことから始めます。フィルターは水洗いをして細かなホコリをしっかり取り除き、よく乾かしておきましょう。掃除機をフィンに優しくあててホコリを吸い取ります。フィンは力を入れると変形するため、圧力がかからないように注意してください。掃除機では難しい細かな部分は、歯ブラシや綿棒を使って丁寧に掃除します。エアコン全体のホコリを取り除いたら、市販のフィンクリーナーをフィン全体に吹き付けてから、時間を置いてよく乾かしましょう。フィンクリーナーは、種類によって乾燥時間が異なります。使用方法をよく読み、指示に従って使用してください。ファンはフィンの奥に設置されているため、手が届かない場合は無理に手を入れず、届く範囲の掃除に留(とど)めておきましょう。吹き出し口は、濡(ぬ)れた布に薄めた中性洗剤を付け、軽く拭き取り掃除をした後、きれいな布で仕上げておきます。エアコン全体をよく乾かしたら、掃除が完了です。内部までしっかり乾かすため、送風運転をすればより早く乾かすことができます。
2-4.ファンなど細かな部品まで掃除したいときは、プロに依頼したほうが安心
既述したとおり、ファンは奥まった場所に設置されている部品で、メンテナンスが難しいケースがほとんどです。フィンクリーナーを使えば、フィンの表面はきれいにできます。しかし、内部までしっかり洗浄するのは難しいケースが多いものです。エアコンの掃除に手馴(てな)れていない場合、内部の部品を破損し、エアコンの不具合を招く可能性があります。分解も危険ですから、知識がない人は安易に行わないようにしましょう。安全に使い続けるためにも、無理な掃除を行わず、プロの掃除業者に依頼したほうが安心です。
2-5.プロのエアコン清掃・クリーニングについて
プロによるエアコン清掃やクリーニングは、故障の心配が少ないのがメリットです。また、内部まで洗浄液で洗い流してくれるため、カビやホコリなどのほとんどを取り除くことができます。1回の依頼で、嫌な臭いなどもすっかりなくなり、気持ちよくエアコンを使うことができるようになるでしょう。清掃後に抗菌剤の塗布を行ってくれるサービスも利用でき、カビ予防にもおすすめです。
3.エアコンのカビ予防法
エアコンは、カビが発生しないように注意することが大切です。カビ予防についてご紹介します。
3-1.エアコンのカビを予防する方法
エアコンの洗浄をしても、カビが発生しやすい環境のまま使い続けていては、カビの再発を防ぐことはできません。洗浄と同時に、カビ予防への対策もしっかり整えましょう。カビの予防法は、以下のとおりです。
- こまめなフィルター掃除
- エアコンの使用後に送風運転をする
- 室内の湿度管理に注意する
既述したとおり、フィルターに付着しているホコリはカビのエサとなるため、こまめに掃除することが繁殖を防ぐ鍵となります。また、送風運転は、冷房や除湿後にエアコン内部で停滞している水分を発散する効果があり、湿気によるカビの発生を防ぐ効果があるのです。エアコン内部の湿気対策と同時に、室内の湿度管理もしっかり行い、ジメジメした環境にしないように注意してください。
3-2.室内の換気もしっかり行うこと
エアコンの使い方や室内の湿度管理は、カビ対策ではとても重要なポイントです。とはいえ、エアコンにばかり目を向けていてはいけません。室内にはホコリやカビの原因菌が溜(た)まりやすいため、定期的に換気を行い、部屋に新鮮な空気を取り入れるようにしてください。換気は、室内の湿度を下げる効果も期待できます。カビ予防の1つとして実践してください。
4.エアコンのカビ対策でよくある質問
エアコンにカビが発生した場合、さまざまな弊害が予想されます。質問集を参考に、掃除やカビ予防に役立ててください。
Q.エアコンのカビは、目に見える場合もあるのか?
A.吹き出し口やフィルターなど目に触れる場所にカビが発生した場合は、肉眼でカビを確認できるでしょう。黒ずんで見える部分がカビです。見つけたらすぐに掃除をしてください。
Q.誰でもエアコンのカビによる病気の発症は起こり得るのか?
A.はい。特に、乳幼児や高齢者は免疫力が弱いため、重症化する可能性があります。症状が長引き、慢性疾患に至るケースもあるので注意してください。
Q.エアコン内部に湿気がこもりやすいのは冷房時だけ?
A.冷房時のほうが、湿気がこもりやすいでしょう。なぜなら、冷やされた空気の影響を受け、エアコン内部に結露が発生するからです。暖房時は冷房時に比べ、結露の発生は少ない傾向にあります。
Q.前面パネルや吹き出し口も掃除したほうがいいのか?
A.はい、エアコンに付着した汚れやホコリはすべて取り除きましょう。フィルター掃除をするタイミングで、前面パネルや吹き出し口に付着しているホコリの状態を確認し、こまめに掃除してください。
Q.冷房使用後に行う送風運転は、どのくらいの時間が目安なのか?
A.送風運転は、冷房運転を完全に止めてからではなく、冷房から切り替える形で行ってください。送風時間の目安は、30分〜2時間程度です。冷房使用後の送風運転を意識するだけでも、カビ予防に高い効果が期待できます。忘れずに実施しましょう。
まとめ
いかがでしたか? エアコンにはカビが発生することがあり、カビによる健康被害も心配されます。カビが発生する原因は、エアコン内部の水分がホコリと絡み合うことです。エアコンのカビ対策は、こまめにフィルターを掃除することと、エアコン本体を1年に2回程度掃除することでしょう。また、普段から冷房使用後の送風運転やこまめな掃除を心がけるだけでも、カビ予防につながります。安全に使い続けるためにも、エアコンのカビ対策やカビ予防への知識を持っておきましょう。