「オキシクリーン」は、最近注目され始めた粉末タイプの洗剤です。過炭酸ナトリウムや界面活性剤などの成分でできており、衣類などについた頑固な汚れやシミを落とすことができると評判になっています。衣類についた汚れだけではなく、洗濯槽やキッチン・浴槽・床・窓・網戸などさまさまな場所で使用可能な万能洗剤です。しかし、どうやって使ったほうが良いのか、本当に汚れが落ちるのか不安な方もいるでしょう。そこで、本記事では、オキシクリーンを使用した掃除方法や効果的な使い⽅について解説します。

  1. オキシクリーンの基礎知識
  2. オキシクリーンの正しい使い方は?
  3. オキシクリーンの掃除方法は?
  4. オキシクリーンに関してよくある質問

この記事を読むことで、オキシクリーンを使った掃除方法とポイントが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.オキシクリーンの基礎知識

正しい使い方をするために、オキシクリーンがどんな成分でできているのか把握しておきましょう。また、主な種類や効果、購入場所についても解説します。

1-1.どんなものか?

酸素系漂白剤の中でも万能な掃除グッズとして注目されているのが「オキシクリーン」です。塩素や蛍光漂白剤を使わなくても自然分解で汚れを落とすのが特徴で、家中の汚れに使用できるため、ほかの洗剤を用意する必要がなく、経済面でも節約できると評判になっています。

1-2.主な種類、人気は?

オキシクリーンを大きく分けると、日本製とアメリカ製の2種類となります。販売元はグラフィコで共通していますが、アメリカ製の中には販売元がコストコになっているものもあり、コストコでしか購入できないので注意してください。また、日本製とアメリカ製の大きな違いは、「泡立ち」と「基本成分」にあります。日本製は過炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムが基本成分で泡が立ちません。しかし、アメリカ製はさらに界面活性剤が含まれているため泡が立ちます。よって、子どもや赤ちゃんがいる家庭や、環境へのやさしさを考えるなら「日本製」が最適です。もし、汚れを徹底的に分解したいなら、界面活性剤が含まれている「アメリカ製」が良いでしょう。

1-3.何に効果があるのか?

オキシクリーンは、主に「掃除用洗剤」と「洗濯用洗剤」として2通りの使い道があり、それぞれ効果が異なります。
そもそも、オキシクリーンはアルカリ性の性質があるので、油汚れや皮脂といった酸性の汚れに効果が期待できるでしょう。また、鍋底の焦げやコップの茶渋など、こびりついてなかなか落ちない汚れをはがし落としてくれます。
さらに、頑固な黄ばみ・黒ずみ・食べこぼし・飲みこぼしによる衣類のシミなどもスッキリ落とすことが可能です。

1-4.購入できる場所は?

注目されている洗剤ということもあり、近くのスーパーマーケットや薬局・ドラッグストアなどで発売されているのをよく見かけるようになりました。日本製・アメリカ製どちらとも発売しているところもあれば、種類が限られているところなどさまざまです。

1-5.オキシクリーンの効果は使い方で決まる!

万能なオキシクリーンですが、効果を発揮するためには正しく使わなければなりません。たとえば、オキシクリーンは約40℃~60℃のお湯で完全に溶かして使用するのが基本的です。汚れの部分に振りかけたり、水に溶かしたりするのは間違った使い方となり、効果が期待できなくなるので注意してくださいね。きちんと効果を実感するためにも、オキシクリーンの正しい使い方をマスターしておきましょう。

2.オキシクリーンの正しい使い方は?

それでは、オキシクリーンの正しい使い方について解説します。

2-1.用意するものは?

オキシクリーン以外に、お湯・バケツ・ブラシ・使い古した歯ブラシなどを用意しておくと便利です。また、バケツはオキシクリーンでつけ置きをする際に役立ちます。玄関やベランダの掃除をするときはブラシ、靴を磨くときは靴専用のミニブラシを準備すると良いでしょう。

2-2.オキシクリーンの使い方ポイント

オキシクリーンを使うときは、3つのポイントを押さえることが大切です。

  • お湯で粉を完全に溶かして使用する
  • 約40~60℃のお湯で酸素を活性化させ、汚れを酸化し漂白する
  • 20分以上のつけ置きが効果的(6時間後には効果がなくなる)

また、オキシクリーンは「掃除用洗剤」と「洗濯用洗剤」の2通りの使い道があります。オキシクリーンはアルカリ性の性質を持っているので、油汚れ・皮脂汚れといった酸性汚れを落とす「掃除用洗剤」として効果的です。一方、「洗濯用洗剤」としては、通常の洗濯の場合、約40~50リットルのお湯にオキシクリーンのスプーンの1目盛りを溶かしてください。ちなみに、オキシクリーンを入れるタイミングは通常の洗濯のときと一緒です。染み抜きや漂白したいときは、約40℃のお湯4リットルに対して約5~6g程度を入れて数時間つけ置きすると良いでしょう。
具体的な掃除方法に関しては、後ほど【3.オキシクリーンの掃除方法は?】で説明するのでぜひチェックしてください。

2-3.使用量はどのくらいか?

オキシクリーンを大量に使うほど汚れが落ちやすくなるというわけではありません。製品の種類によって、使用量が記載されています。使用前にきちんと適量をチェックして守ってください。たとえば、油汚れ等に効果的なつけ置きの場合、日本製のオキシクリーンは、水0.5リットルに対して付属のスプーン8分の1杯です。また、汚れの度合いによって適宜調節するのもポイントの1つとなります。

2-4.つけ置きのポイント

頑固な油汚れがついている換気扇などは、オキシクリーンを溶かしたお湯に換気扇の部品を入れ、1時間ほどつけ置くだけで完了となります。つけ置きは頑固な汚れを浮かすベストな方法ですが、前日夜に作業をして夜中に放置したほうが効率的です。そうすれば、夜寝ている間に汚れが落ち、翌朝にはキレイになっているでしょう。ただし、効力は最大で6時間ほどなので、それ以上つけ置きをしても効果がないことを念頭に置いてくださいね。

3.オキシクリーンの掃除方法は?

それでは、掃除場所別にオキシクリーンの活用法を解説します。

3-1.キッチン

キッチンで非常にやっかいな汚れが、五徳・魚焼きグリル・換気扇などにこびりついた油汚れですよね。これらの汚れは、洗い桶またはバケツでつけ置きをしてください。オキシクリーンの容量は、4リットルの水量に対しカップ1杯分が目安です。30分つけ置きをして様子をみながら放置時間を延ばしていきましょう。後は、古い歯ブラシなど細かいブラシですり落とします。なるべく熱いお湯を使用したほうが効果的です。特に、五徳は汚れが頑固なので1回だけでは十分に落とすことができません。その際は、数回に分けてつけ置きを行ってください。

3-2.玄関・ベランダ

玄関やベランダなど外からホコリや汚れが舞い込んでくる場所は、オキシクリーンを40~60℃のお湯に溶かし泡立てる作業から始めてください。そして、その泡をブラシで取り、泡を玄関タイルやベランダ全体に乗せて30~40分程度放置します。汚れが浮いた部分や気になる汚れを、ブラシでこすって取りのぞいてください。水で泡を流した後は、新聞紙をしきつめ水分を吸収し乾かしましょう。掃除前とは見違えるほどキレイになります。

3-3.風呂・トイレ

風呂やトイレなど水まわりでやっかいな汚れが「水垢(みずあか)」ですよね。オキシクリーンなら頑固な水垢でもキレイに落とすことができます。
まずは、シャワーで1度風呂の床を濡らしてから、オキシクリーンを振りかけてください。15~30分ほど放置した後、キレイに洗い流します。後は軽くブラシをかけるだけで、水垢の汚れを取ることができるでしょう。
また、トイレのやっかいな黄ばみにも効果的です。トイレ掃除をする際は、お湯を2リットル便器の中に入れて一晩つけ置きしておきます。そして、翌朝にブラシでこすり流すだけです。つけ置きすることで今まで届かなかった排水管もキレイにでき、除菌や消臭効果も期待できます。

3-4.リビング・床

リビングの床を掃除するときは、4リットルの水量に対し大さじ1杯以下のオキシクリーンを使用してください。掃除方法は、バケツで溶液を作り、硬くしぼったぞうきんで拭き掃除をするだけなので簡単です。ただし、溶液が濃すぎるとフローリングのワックスが剝(は)がれてしまうので注意してください。不安な方は、目立たないところで試し拭きをすると良いでしょう。

3-5.そのほかの活用方法

ほかにも、オキシクリーンを混ぜたお湯を鍋の中に入れれば、ステンレスの鍋の底についた焦げを落とすことができます。また、普段使用しているふきんも洗い桶(おけ)内でつけ置きすれば、漂白ができるでしょう。さらに、お湯とオキシクリーンを入れて洗濯機をまわすと、洗濯槽の掃除ができます。3分ほどまわした後に1度止めて2時間放置し、さらに3分洗濯機をまわせばカビが浮いてくるでしょう。ぜひ試してみてください。

3-6.温度とつけ置きの時間に要注意

オキシクリーンは万能グッズでも漂白剤の1種なので、使用時には必ずゴム手袋をしてください。そして、「温度」と「つけ置きの時間」には十分に注意しましょう。前述したとおり、オキシクリーンはお湯で溶かすからこそ効果が期待できるものです。また、つけ置き時間は最高6時間であることをきちんと覚えておきましょう。

4.オキシクリーンに関してよくある質問

オキシクリーンに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.オキシクリーンの値段はいくらか?
A.値段は種類によってバラバラです。たとえば、アメリカ製のオキシクリーンは1,500gあたり2,000~2,500円が目安でしょう。一方、日本製は1,000~1,500円が平均です。アメリカ製は界面活性剤が含まれているだけあり、値段が高めに設定されています。また、店舗とインターネット経由など購入場所によって異なるので注意してください。

Q.汗染みができた上履きの掃除方法は?
A.上履きは汗などさまざまな汚れが付着しています。頑固な汚れをより効果的に落とすため、固形石鹸と併用するのがおすすめです。まずは、オキシクリーンで一晩つけ置きをした後、キレイに洗い流します。そして、まだ汚れている部分を固形石鹸でこすると真っ白になるでしょう。

Q.オキシクリーンを使わないほうが良い素材は?
A.アルミ素材など金属を使用したものには使わないでください。オキシクリーンの成分はアルミ素材と反応を起こし、泡が出てどんどん溶かしてしまいます。アルミ素材以外の金属でも、傷・サビがついているものはNGです。傷・サビからオキシクリーンが入り込み、傷みが悪化するおそれがあります。

Q.エアコンフィルターの除菌効果も期待できるのか?
A.オキシクリーンはエアコンや空気清浄機・掃除機などのフィルター掃除に最適です。4リットルの水量に対し、カップ1杯分を目安にビニール袋などにつけ置きをしてください。20分後にブラシですり洗いをすれば、汚れがキレイになります。

Q.アメリカ製に含まれている界面活性剤とは?
A.界面活性剤は、水と油のように「水に溶けにくいもの」の両方の性質を持ち合わせています。物質には混じり合うものと混じり合わないものがありますが、界面活性剤を入れることで普段混じることのない物質同士を変化させ混ぜることができるのです。この成分を入れると、衣類の汚れを繊維から引き離し、水中に取り出すことができます。また、取り出した汚れに界面活性剤のバリアができるので、再び繊維につくこともありません。つまり、界面活性剤の働きによって汚れを落とすことができるのです。

まとめ

いかがでしたか? オキシクリーンは、衣類についた汚れやシミだけでなく、キッチン・玄関・ベランダ・風呂・トイレ・リビング・床・窓などさまざまな場所に使用できます。幅広い場所の汚れを落とすことができる洗剤だからこそ、使い方をマスターしておけば普段の掃除が楽になるでしょう。しかし、万能なアイテムでも、ほかの洗剤のように作り置きができない性質を持っています。使用上の注意点もきちんと確認した上で使うように心がけてくださいね。