朝きれいに掃除をしたのに、夕方にはもうほこりが気になることはありませんか? いったい、ほこりはどこからやってくるのでしょう? ほこりがたまってしまうと、不潔なだけでなく、アレルギーのもとになるダニの死がいやカビなど、健康への影響も心配です。そこで、この記事では、ほこりの効果的な掃除方法と、ほこりを減らす工夫について紹介します。

  1. ほこりについて
  2. ほこりの掃除方法について
  3. ほこりを減らす対策
  4. お役立ち情報、よくある質問

この記事を読むことで、ほこりの掃除のコツやほこりを大幅に減らす方法が分かります。ハウスダストアレルギーに悩んでいる人や、毎日の掃除の手間を減らしたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.ほこりについて

ほこりを効果的に掃除するために、まずほこりについて知りましょう。

1-1.ほこりの成分、特徴

家庭内のほこりは、ほとんどが繊維のくずです。ほかにも砂ぼこりや、人やペットから出るアカやフケ、紙製品のくずなどが細かくなったものが、ほこりとなります。
(社)日本家政学会の分析によると、ほこりの中の成分は、以下のとおりです。

一般家庭のホコリ成分は繊維(綿ボコリ)56.2%,土砂ボコリ27.5%,食物3.53%,毛髪3.02%,紙片1.71%,その他8.04%という結果であった.

出典:室内塵中の成分分析 (社)日本家政学会

これによると、ほこりの6割近くが綿ぼこりです。ほこりは、普段は目に見えないほど小さく、空気中を漂っています。小さくても重さはあるため、やがて床や家具の上に落ち、空気の移動とともにほこり同士がより合わさって、目に見えるほこりへと成長していくのです。

1-2.ほこりの原因、たまりやすい場所とは

前述のとおり、ほこりはほとんどが繊維のくずで、衣服や布団・ベッドなどから出る綿ぼこりです。つまり、普通に生活しているだけで、次々とほこりのもとを作り出していることになります。
ほこりはとても軽いので、人が動いただけで舞い上がり、空気の流れとともに移動するのです。こうして、空気がよどんでいるところにたまります。家具の隙間や普段目に触れない照明器具の上など、掃除が行き届かないところには、ほこりがたまっていることでしょう。また、空気中のほこりは静電気に引き寄せられるため、テレビやパソコンなど家電品の周りにもほこりがたまりやすいのです。

1-3.ほこりの注意点

ほこりには、微量ながら、花粉やカビの胞子・ダニの死がいやフンなどが含まれています。これらは、アレルギーを引き起こす原因になるので、こまめに取り除くなどの対策が必要です。

2.ほこりの掃除方法について

ほこりの正体がわかったところで、効果的な掃除方法について説明します。

2-1.掃除の重要性

前述のとおり、ほこりは絶えず生み出されるものです。放っておいてもなくならないばかりか、ほこりが集まると、そこに細菌やダニが繁殖してしまいます。アレルギーの原因につながるほこりを掃除することは、健康的な生活のためにも大切なことです。
また、コンセント付近にほこりがたまり、火災に発展するケースもあります。アレルギーの有無にかかわらず、どんな家庭でもほこりを掃除する必要があるのです。

2-2.掃除する箇所、頻度など

ほこりは毎日積もるので、基本的には毎日掃除をするのが理想です。毎日は時間が取れないという人も、週に2~3回はほこり掃除をするようにしましょう。ほこりはいつでも空気中に漂っていますが、掃除は下に落ちたほこりを掃除します。特にほこりがたまりやすい家具の隙間や背の高い家具の上なども忘れずに掃除をするといいでしょう。
ほこりを吸着するタイプのハンディモップを日常的に使い、後述するほこりを減らす工夫を取り入れれば、掃除機をかけるのは1週間に1回程度でも十分です。

2-3.ほこり掃除の方法

2-3-1.用意するもの

以下の道具を用意してください。住居用洗剤は、特に必要ありません。

  • ハンディモップ
  • フローリングワイパー(ドライ)
  • 掃除機
  • 柔軟剤
  • 雑巾

2-3-2.掃除の手順

  1. いきなり掃除機をかけてはいけません。掃除は「上から下へ」を心がけ、高いところからほこりを取っていきます。ハンディモップを使い、照明器具の傘や棚の上・エアコンの上などのほこりをからめ取ってください
  2. テレビ、テーブルの上など、普段目につくところもハンディモップで拭きましょう。テレビの裏側、たんすの隙間など、モップが入るところはすべて拭き取ります
  3. 床にフローリングワイパーをかけましょう。髪の毛やほこりがたくさん取れます。掃除機をかける前にこのひと手間を加えることで、掃除機がほこりを舞い上げるのを防ぎ、髪の毛が絡まることもありません
  4. ここでやっと掃除機の出番です。掃除機は、片手で持ち上げ、もう片方の手でノズルを持ってかけると、床のほこりが舞い上がらなくて済みます。家具の隙間などは隙間用のノズルを使いましょう
  5. ほこりの再付着防止対策として、柔軟剤雑巾をつくります。水1Lに対して柔軟剤を5mL入れ、雑巾を浸して固く絞ってください。これで棚やテレビまわり・テーブルの上などを拭いておきます。柔軟剤によって静電気の発生を防ぐため、ほこりがつきにくくなるのです

2-4.ほこり掃除5つのポイント

2-4-1.ほこりをたてない

ほこり掃除の最大のポイントは、ほこりを舞い上がらせないことです。はたきをかけてしまうと、はたきをかけた部分はきれいになりますが、空気中に大量に舞い上がってまた積もってしまいます。ハンディモップを使うときも、ほこりを払うのではなく、からめ取るようにしましょう。

2-4-2.静電気の性質を利用

ほこり掃除の基本は、吸着させる・再付着させない、の2つです。ほこりは静電気に引き寄せられるので、この性質を利用してハンディモップでほこりを吸着させて取りましょう。また、静電気を抑える柔軟剤を利用して拭き掃除をすることで、再付着を防止します。

2-4-3.光を味方にする

ほこりは明るいところで目立ちます。掃除のときには室内を明るくしましょう。たんすの隙間などをLEDライトで照らすと、壁にもほこりが付着しているのがわかります。

2-4-4.フィルターの掃除

エアコンや空気清浄機、除湿器や加湿器など、フィルターがある家電を使っている場合は、こまめに掃除をします。フィルターをきれいにしておくことで、空気中に余分なほこりをまき散らさずに済むのです。

2-4-5.「ついで」掃除で時短

ほこりが気になったときにさっと拭き取れるように、ミニサイズのハンディモップを複数用意します。ほこりが特に気になる場所の近くに置いておけば、ついでのときにさっとひと拭きすることができるでしょう。

2-5.注意点

掃除中は、いくらほこりをたてないように気をつけても、目に見えないほこりが大量に舞います。ほこりを直接吸い込まないように、アレルギーのあるなしにかかわらず、マスクを着用しましょう。

3.ほこりを減らす対策・3つの工夫

ほこりを出さない工夫をすることで、掃除がグンと楽になります。ここでは、ほこりを効果的に減らす対策を紹介しましょう。

3-1.繊維製品を減らす工夫

大きなもの、量の多いものから取り組むと、ほこりも一気に減ります。

  • カーペットを使わない。特に、毛足の長いじゅうたんはやめる
  • カーテンをブラインドに替える
  • ぬいぐるみを置かない
  • ソファーを布製からレザーにする
  • ほこりの出にくい布団に替える
  • 衣類を断捨離する
  • タオルやシーツ・カバー類を断捨離する

3-2.ほこりをためない工夫

家にほこりを持ち込まず、空気中でキャッチします。

  • 空気清浄機を使う
  • 家具の隙間をなくす
  • 玄関で衣類のほこりを落としてから玄関に入る

3-3.ペットの工夫

これからペットを飼う場合の参考です。すでに毛の生えたペットを飼っている場合は、こまめにブラッシングしたり、洗ってあげたりしましょう。

  • 犬は外で飼う
  • 室内で飼うなら熱帯魚や爬虫(はちゅう)類など毛が生えていないものに
  • どうしても室内で犬や猫を飼いたい場合は、短毛種や抜け毛の少ない品種に

4.お役立ち情報、よくある質問

Q.柔軟剤を使う習慣がないため、家にありません。ほかのもので代用できますか?
A.はい。髪の毛用のリンスで代用可能です。リンスを10倍程度に薄めたものを、柔軟剤液と同じように使ってください。市販の住居用リビング洗剤(拭き取りのいらないもの)も、同様の効果があります。

Q.掃除をする時間帯はいつがいいですか?
A.空気中のほこりは静かにしていると下に落ちて積もります。朝起きたときや仕事から帰ったタイミングが効果的です。

Q.ハンディモップも掃除機も入らない狭い隙間は、どう掃除したらいいでしょうか?
A.針金ハンガーにストッキングをかぶせたものを用意します。狭い隙間にも差し込むことができ、ほこりがよく取れるでしょう。

Q.布製ソファーやクッションなどは、ハンディワイパーがかけられません。
A.繊維製品には、粘着テープ(通称コロコロ)を使うと便利です。繊維くずがよく取れます。

Q.ほこりをたてないためには、窓を開けない方がいいですか?
A.いいえ。換気をすることは、室内の空気中に漂うほこりを減らすうえでも大切です。特に布団の上げ下ろしのあとなどは、空気中に大量にほこりが舞います。窓を開けて換気をするといいでしょう。

まとめ

普通の暮らしをしている以上、ほこりは毎日生まれるため、ほこりとの闘いに終わりはありません。日々の生活の中で上手に付き合っていけるよう、ほこり掃除を習慣にしましょう。ほこりを減らす工夫も取り入れ、ほこりに悩まされない快適な暮らしを手に入れてください。