大掃除でもあまり手をつけることがない壁紙は、思っているより汚れが溜(た)まっています。普段から気にして掃除することで、頑固な汚れになることは避けられるでしょう。しかし、壁紙は面積が広く、天井まで伸びているため手が届かない場所もあります。
壁紙が汚れているのはわかっているけれど、なかなかやる気になれないという方が多いもの。賃貸住宅の場合、退去時に部屋の原状回復が求められます。壁紙をきれいにしておくだけでも印象が良くなり、敷金が多く戻ってくることがあるのです。
壁紙が汚れる原因がわかれば、汚れに合う掃除方法も知ることができるでしょう。
- 壁紙汚れの種類
- 壁紙汚れの落とし方
- まとめ
1.壁紙汚れの種類
毎日床には掃除機をかけている方でも、壁紙まで掃除するケースはほとんどありません。多くの方が黄ばみや汚れが気になってから掃除を始めています。
引っ越しをきっかけに、壁紙をきれいにしようと考えることもあるはずです。そもそも壁紙にはどのような汚れが付着しているのでしょうか?
1-1.調理中の煙
キッチン周りの壁紙は、調理中の煙で汚れやすい場所。煙だけではなく、油や汁なども飛散しやすいのです。放置しておくと臭いや汚れが定着し、生活臭が染み込んでしまいます。
理想は調理後に軽く水拭きする習慣をつけることです。汚れが蓄積しない工夫やひと手間が大切でしょう。
1-2.手垢(てあか)
壁紙には、気づかないうちに手垢(てあか)が付着します。電気スイッチの周辺や良く触る場所は、特に手垢(てあか)が気になるでしょう。黄ばみの原因にもなり、見た目の印象も悪くなってしまいます。
手垢(てあか)は皮脂を含んだ油性の汚れ。空気中のほこりと結合し、より強固な汚れとして定着していきます。
1-3.カビ
食品や飲み物のシミを放置してしまうと、カビが発生することもあります。黒ずんで根を張ってしまうカビは、健康を害する恐れもある汚れです。
壁紙にカビがあると目立ちます。しっかりカビ取りをする掃除方法を取り入れることが大切です。
1-4.タバコのヤニ
室内で喫煙していると、タバコのヤニが原因の黄ばみが出てきます。黄ばみがひどくなると同時に、タバコ特有の臭いも強くなって落としにくくなってしまうのです。
室内で喫煙する習慣を見直すか、こまめに掃除するように心がけることが大切でしょう。
1-5.落書き
お子さんがいる家庭では、どうしても落書き汚れが発生してしまうことがあります。クレヨン・マジック・絵の具・鉛筆などがありますが、落としやすいものから簡単には落ちない油性汚れまで種々多様です。
落書きは、汚れが中まで浸透していないものなら、ひと工夫することで落とすことができます。
2.壁紙汚れの落とし方
通常の掃除ではなかなか手をつけることがない壁紙ですが、気になる汚れは早めに落としておかないと定着してしまいます。引っ越しや模様替えで家具を移動して、初めて壁紙の汚れに気づくというケースも少なくありません。気になり始めると、汚れにばかり目が行ってしまうもの。掃除のコツを覚えてきれいにしてみてください。
2-1.重曹
壁紙は凹凸があるタイプが多いですよね。凹凸があると拭いても溝に汚れが残ってしまい、きれいにならないこともあるでしょう。
壁紙掃除には、重曹を使う方法がおすすめです。重曹に少量の水を加えて練り、汚れが気になる場所に直接つけて歯ブラシなどでこすって落とします。
壁紙の色落ちが気になる方は、目立たない場所で少量を試してから始めましょう。頑固な汚れがある場合は、ペースト状にした重曹を汚れの上から貼り付けて、10分以上放置してから落とします。重曹は洗剤より安心な掃除アイテムとして注目されているもの。重曹は油分を分解する働きがあります。しつこい油性汚れにも、ぜひ活用してみてください。
2-2.酢を加える
重曹だけでは落としにくい汚れには、重曹ペーストと合わせて酢を混ぜるといいでしょう。酢と水は1:2で割り、重曹ペーストを塗った上から吹き付けます。
重曹が酢に反応して泡が発生し、汚れを浮かして落とすのです。汚れを取り除いた後は、しっかり水拭きして仕上げましょう。
2-3.落書きは種類別に対応
落書き汚れは、クレヨンやマジックなどの油性の汚れ、絵の具や鉛筆などの水性汚れがあります。鉛筆の跡は消しゴムでこすると落とすことが可能です。消しゴムで落とせなかった部分は、重曹を水で薄めた重曹水を使って拭き洗いしましょう。
油性汚れは落としにくいので、メラミンスポンジを使ってこすります。メラミンスポンジは凹凸がある壁紙掃除に効果的で、水を浸(つ)けるだけで汚れ落としができると好評です。
重曹やメラミンスポンジを使っても落ちない汚れは、除光液を使ってみてください。こすらず、ポンポンと叩(たた)くように掃除しましょう。ただし、除光液は壁紙が退色する恐れがあるため、目立たない場所で試してください。
2-4.壁紙専用洗剤を使う
壁紙専用洗剤は、ホームセンターで購入することができます。頑固な汚れを落とす効果があるのと同時に、汚れ付着防止効果も期待できるもの。ただし、布製・紙製壁紙だと汚れを吸い込んで落とせないことがあり、ヤニは特に吸収しやすいので注意してください。
2-5.カビ取り
壁紙にカビが生えた場合は、必ずカビ取りをしなければなりません。カビには根があり、しっかり取り除かないと繁殖して健康を害することもあります。
市販のカビ取り剤を吹き付け、3分ほど置いてから拭き取りましょう。拭き取るときに、スポンジで軽くこするときれいになります。カビ取り剤は強力ですので、換気と手袋を忘れずに。
湿気の多い部屋や北向きの部屋はカビが発生しやすく、壁紙の裏までカビが繁殖している場合は張り替えが必要ですので、注意してください。
3.まとめ
壁紙の汚れを落とす方法をご紹介しました。
- 壁紙汚れの種類
- 壁紙汚れの落とし方
壁紙の汚れは、手垢(てあか)・タバコのヤニ・落書き・カビなどが原因です。特に、タバコのヤニとカビは落としにくい汚れで、残りやすいので注意してください。
汚れ落としには、重曹をペースト状にしてこする方法・重曹を塗った後に酢を吹き付けて泡で浮かす方法・中性洗剤で拭き取る方法がいいでしょう。
カビは根があるので、カビ取り剤を吹き付けて浸透した後にしっかり拭き取ってください。 大掃除でもあまり手をつけることがない壁紙は、引っ越しや模様替えをしたときに気になるもの。汚れが定着する前に、なるべく気になる汚れは取り除いておきましょう。