飲食店などの調理場から出る排水には、気を付けていても、野菜くずや残飯などの生ごみのほか、廃油も大量に含まれているものです。しかし、このままの状態では、排水管にこびり付き、詰まりの原因になります。また、悪臭の発生や雑菌の繁殖など、衛生面でも多くの問題の原因となるでしょう。そこで、グリストラップが登場するのです。今回は、グリストラップの清掃について具体的な方法を解説します。グリストラップの清掃方法を知りたい人や、排水からの臭いなどで悩んでいる人には必見の内容です。
- グリストラップとは
- グリストラップの清掃について
- グリストラップの清掃業者の選び方
- グリストラップの清掃に関するよくある質問
この記事を読むことで、グリストラップの仕組みを理解し、適切な清掃を行うことができます。調理設備の衛生状態を保つためにも、グリストラップの清掃は必要不可欠なことです。まずは、記事を隅々まで読んで必要な知識を頭に入れてください。必ず役に立ちますよ。
1.グリストラップとは
最初に、グリストラップの基本を学びましょう。特徴や重要性についても、理解してください。
1-1.グリストラップとはどういうものか
グリストラップとは油水分離阻集(そしゅう)器のことで、飲食店や給食センターなどの調理場設備があるところに設置が義務付けられているます。グリストラップは、廃油を含む汚水が排水管設備に悪影響を与えないための装置です。そのため、生ごみや廃油を排水から除去する役割があります。
1-2.グリストラップの特徴
グリストラップは、野菜くずや残飯などの生ごみを入り口のバスケットで回収します。その後、水と油の比重差を利用し、浮上した廃油だけを表面に集めることができるのです。グリストラップにより、ごみや廃油が取り除かれることで排水管設備への影響は最低限になります。
1-3.グリストラップの重要性
もしも、グリストラップが無かったらどうなるでしょう。大量のごみや廃油を含んだ汚水がそのまま排水管に流れてしまいます。すると、排水管の中はどろどろとした汚れでいっぱいになり、排水管の劣化を早め、うまく排水できなくなることでしょう。また、グリストラップでごみや廃油をとどめておくことによって、環境汚染を防ぐことができるのです。グリストラップは、重要性が高いと言えます。
2. グリストラップの清掃について
グリストラップは、清掃することが大切です。清掃の必要性や方法・注意点など詳しく解説しましょう。
2-1.グリストラップの清掃の必要性
グリストラップは、定期的に清掃をする必要があります。使用しているうちに、野菜くずや廃油が許容量を超える可能性があるだけでなく、グリストラップの性能を保つためにも必要なのです。清掃を怠ると、悪臭や雑菌発生など飲食店にとって特に困ることが発生します。面倒がらずに、清掃を行ってください。
2-2.グリストラップを清掃する頻度
グリストラップの清掃は、定期的に行って常に衛生状態を保つことが大切です。各部分の清掃頻度にかんしては、下記を参考にしてください。
- バスケット部分:毎日1回
- グリストラップの蓋(ふた):毎日1回
- グリストラップの底:毎月1回程度
- 排水管内:2か月から3か月に1回程度
2-3.グリストラップの清掃方法
グリストラップの清掃方法を解説します。日常清掃・定期清掃・臨時清掃、それぞれ確認してください。
2-3-1.日常清掃
グリストラップのバスケットは、野菜くずや食品ごみですぐにいっぱいになり、放置すると腐敗するため、毎日取り除いてください。蓋(ふた)も洗いましょう。また、油膜もできるだけ毎日処理してください。毎日きちんと清掃することで、飲食店に適した衛生状態を保つことができます。
2-3-2.定期清掃
日常清掃をきちんとしていても、掃除しきれない部分が出てくるものです。たとえば、グリストラップの底には、沈殿物としてごみが溜(た)まっています。沈殿物は、清掃用のひしゃくなどを使って取り除きましょう。毎月1回程度の定期清掃で対応してください。排水管内部の汚れにかんしても、忘れないようにしましょう。
2-3-3.臨時清掃
日常清掃・定期清掃以外にも、必要に応じて臨時清掃で対応してください。たとえば、飲食店の営業が好調な日は、通常よりも多くのごみや廃油が溜(た)まっているものです。また、何らかの原因で悪臭などが発生したときも臨時清掃を行ってください。
2-4.グリストラップの清掃に関するそのほかのこと
グリストラップの清掃をいい加減にする飲食店は、衛生状態が悪いという評価を受けても仕方がありません。飲食店にとって、衛生的であることは基本であり、飲食を提供するという性質から考えても当然のことです。清掃が面倒だからとか、人手不足だからという言いわけをしてはいけません。清潔な環境を保つことができてこそ、プロの飲食店を名乗ることができるのです。
2-5.グリストラップの清掃に関する注意点
グリストラップの清掃は、確実に行ってください。日常清掃や定期清掃を形だけやっているのでは、意味がありません。もしも、人手不足などで清掃が難しい場合や、確実な清掃を望む場合は、プロの業者に依頼しましょう。自分たちで作業するよりも、素早くキレイに清掃してくれます。また、清掃作業が無くなる分、本業に力を入れることができるのでおすすめです。
3.グリストラップの清掃業者の選び方
グリストラップの清掃は、業者に依頼すると確実で楽です。ここでは、業者選びのポイントや料金相場などを確認してください。
3-1.グリストラップの清掃業者選びのポイント
以下のポイントを満たす業者を選びましょう。
- グリストラップなど飲食店の清掃ノウハウがある
- 希望の日時に清掃できる
- 料金設定がリーズナブル
- 無理やり契約を急がない
- 見積もりを無料で行っている
- 顧客からの評判がいい
- わからないことに対して親切に回答できる
なお、当アイシーアイでもグリストラップの清掃を行っています。まずは、お気軽にご相談ください。
3-2.グリストラップの清掃料金の相場
清掃料金の相場は、おおよそ1万円から5万円程度が目安です。ただし、グリストラップの容量や状態によっても上下します。まずは、業者に見積もりをもらってみてください。そして、内容もきちんと確認しましょう。料金が安くても、簡単な清掃だけのこともあります。希望する内容を含んだ状態で、見積もりを出してもらうことが大切です。
3-3.グリストラップの清掃の流れ
業者にグリストラップの清掃を依頼した場合、以下のような流れで進みます。
- 電話やメールなどで業者にグリストラップ清掃の見積もりを依頼する
- 業者が現場の視察をした後、見積もりが届く
- 見積もり内容・料金に納得した場合は本契約を交わす
- 契約内容により毎日・週1回・月1回などの頻度で清掃を開始する
3-4.グリストラップの清掃に関する相談窓口
グリストラップの清掃にかんして疑問や不安があるときは、当アイシーアイの相談窓口までご連絡ください。小さな悩みでも、親切に回答します。清掃方法についての疑問や不安を無くすためにもぜひ利用してください。
3-5.グリストラップの清掃業者に関する注意点
いきなり店舗にやってきてグリストップの点検をしたいと言ってくる業者には、注意してください。訪問営業をする業者がすべて問題があるということではありません。しかし、多くの場合、点検の結果「汚れがひどいので今すぐにプロの清掃が必要」のような内容を伝えて清掃契約を急(せ)かすはずです。優良業者なら、訪問営業をしなくても顧客からの評判や口コミで経営が成り立つでしょう。
4.グリストラップの清掃に関するよくある質問
最後に、グリストラップの清掃に関するよくある質問に回答します。それぞれとても役に立つ内容なので確認しておきましょう。
4-1.グリストラップに溜(た)まったごみは何ごみになりますか?
内容によって、ごみの区分が異なります。まず、野菜くずや残飯などの生ごみにかんしては、一般廃棄物です。廃油や底に溜(た)まった沈殿物にかんしては、産業廃棄物扱いになるので注意しましょう。いずれにしても、一般ごみとして出さず、業者にごみ回収を依頼してください。
4-2.長年にわたってこびり付いた汚れも取ってもらえますか?
グリストラップの清掃ノウハウを持った業者は、どんなにこびり付いた汚れでも大抵キレイにしてしまいます。特殊な洗浄液や、清掃ノウハウを持っているからです。まずは、業者に現場を視察してもらいましょう。こびり付いた汚れを取ることができれば、定期清掃も楽になりますよ。
4-3.グリストラップの清掃を一部だけ依頼することも可能ですか?
たとえば、毎日の清掃は従業員が担当し、そのほかの部分の清掃を業者に依頼することも可能です。まずは、業者に相談してみましょう。なお、業者によっては全部の清掃作業をパック料金などで対応している場合もあります。一部を依頼するよりも、お得なこともあるので検討してみてください。
4-4.グリストラップをできるだけ汚さないための方法は?
グリストラップの汚れは、生ごみと廃油です。従って、排水口に生ごみや廃油を流さないようにすればグリストラップの汚れを最小限にできます。しかし、飲食店で完全に生ごみや廃油を流さないようにすることは実質的に困難なはずです。たとえば、できるだけ生ごみは分けて捨てる・廃油は流さずに専用の廃棄用容器に入れる、などを徹底してみてください。随分と変わりますよ。
4-5.グリストラップの修理も清掃業者に依頼できますか?
グリストラップの修理にかんしては、自治体の指定した指定した下水道排水設備工事店が担当することになっています。従って、清掃業者に依頼することはできません。もしも不具合がある場合は、下水道排水設備工事店に連絡して対応してもらってください。
まとめ
グリストラップの清掃は、正直なところ大変な作業と言えます。しかし、生ごみや廃油の処理をきちんと行うことは外せない作業です。店舗営業で忙しく、十分に対応できない場合は、プロの業者に清掃を依頼しましょう。料金は必要ですが、確実に清掃してくれるので助かります。また、グリストラップの清掃に掛けていた労力と時間を本業に回すことができるため、結果的に大きなメリットとなるでしょう。ぜひ、積極的に検討してください。