「風呂の赤カビが気になる」「簡単に除去できる方法はないのか?」など、風呂の赤カビで悩んでいる方は多いでしょう。赤カビは繁殖力が強いので、放置するとすぐに繁殖し、いつの間にか対処しきれないほどの量にまで広がってしまいます。見つけた瞬間にすぐ掃除すれば、被害を最小限に抑えることができるでしょう。

本記事では、風呂の赤カビを掃除する方法とポイントを解説します。

  1. 赤カビがもたらす悪影響と発生原因
  2. 赤カビ掃除に必要な道具と方法
  3. 風呂の赤カビを予防する方法
  4. 風呂掃除をプロに依頼する方法
  5. 風呂の赤カビに関してよくある質問

この記事を読むことで、風呂の赤カビを素早くかつ適切に除去するポイントがわかります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.赤カビがもたらす悪影響と発生原因

最初に、赤カビがもたらす悪影響と、なぜ発生するのか原因をチェックしておきましょう。

1-1.繁殖力が強く増殖スピードが速いカビ

赤カビの正体は、ロドトルラと呼ばれる酵母菌です。黒カビとは違い簡単に落とすことができますが、繁殖力が強く増殖スピードが速いので、何回掃除してもいつの間にか再び発生していたというケースがよくあります。そのため、こまめに掃除したり、窓を開けて換気したりすることが未然に防ぐポイントです。また、赤カビはカビ菌と性質が異なり、水分だけでも増殖できるのが特徴でもあります。基本的にヌルヌルしていますが、直接触れたからといって体に影響が出るわけではありません。

1-2.赤カビを放置すると黒カビが発生する

赤カビの繁殖で注意しておきたいのが、放置すると黒カビが発生する特徴です。赤カビは私たちに直接影響を及ぼす心配はありませんが、放置することで黒カビが発生し、その黒カビが悪影響を及ぼす恐れがあります。黒カビはアレルギーの原因になり、人体に悪影響を及ぼすものです。特に、免疫力が弱い小さな子どもやお年寄りがいる家庭では、赤カビを見つけたら黒カビが繁殖する前に早めに掃除して除去しなければなりません。

1-3.高温多湿で水垢(みずあか)・シャンプーボトルの液だれが原因

赤カビが発生しやすい場所は、高温多湿な環境です。赤カビのもととなる酵母菌は常に空気中に存在しているものですが、高温多湿で浴槽や排水溝の水垢・シャンプーボトルの液だれ部分といった栄養が豊富な場所に住みつきます。つまり、栄養が豊富にある場所は酵母菌が活発化する温床です。また、ブラシなどで洗い流すとすぐに除去できますが、酵母菌自体がその時点でなくなるわけではありません。何回洗っても数日たつと同じ場所に発生するのが赤カビの特徴なので、完全に除去するためには菌を確実に死滅させる必要があります。

2.赤カビ掃除に必要な道具と方法

では、赤カビの掃除に必要な道具と具体的な方法を解説します。

2-1.掃除前に必要な道具を準備しよう

赤カビを除去するために、必ず用意してほしいのが消毒用エタノールです。消毒用エタノールは、赤カビのもととなる酵母菌を死滅させることができます。一般的に、ケガなどの消毒に用いられることが多いのですが、消毒用エタノールには雑菌の殺菌効果が期待できるのです。また、殺菌力も強いため、酵母菌をやっつける働きが期待できるでしょう。そのほかに用意してほしい道具は以下のとおりです。

  • ペーパータオルまたはキッチンペーパー
  • 使い古した歯ブラシ

掃除用のブラシは数回使っただけでボロボロになってしまいます。消毒用アルコールはエタノールなので、プラスチックなどの製品を変色・変形させる恐れがあるからです。そのため、掃除用ブラシではなく、後は捨てるだけの使い古した歯ブラシで掃除をすれば有効活用できるでしょう。

2-2.消毒用エタノールを使った掃除方法

必要な道具が用意できたら、以下の流れで赤カビを除去してください。

  1. 消毒用エタノールをペーパータオルまたはキッチンペーパーに染み込ませ、赤カビの部分に貼りつける
  2. 10分ほど放置した後、ペーパーを剝がし、赤カビがなくなるまで使い古した歯ブラシでする
  3. 最後に水を流して終了

以上の流れで簡単に赤カビを落とすことができます。シャンプーボトルの液だれ部分に繁殖していることが多いため、移動できるものはすべて撤去してから掃除するのがポイントです。また、掃除する際は、なるべく天気がよく乾燥している日を選びましょう。掃除中と掃除後には窓や浴室の扉を開けてしっかり換気してください。

2-3.肌が弱い方はエタノールの使用に要注意

基本的に、消毒用エタノールは傷の消毒に使うものなので人体にあまり害はありません。けれども、肌が弱く敏感な人は炎症を起こす恐れがあります。念のため、ゴム手袋を着用してから扱うようにしましょう。手についたときはすぐに洗い流すようにしてください。

3.風呂の赤カビを予防する方法

赤カビを除去した後は、再び発生しないように予防することが大切です。ここでは、赤カビの予防方法について解説します。

3-1.普段の掃除が必要不可欠

赤カビの予防法として1番大切なのは、日ごろの掃除です。風呂は毎日使う場所ですが、使用後は掃除をしているでしょうか。消毒用エタノールで掃除すれば当分の間は赤カビで悩まされることはありません。けれども、油断をするとすぐに発生し、そのまま黒カビになってしまいます。風呂を使用した後は、必ず掃除をするようにしてください。毎日の掃除がカビを防ぐ大切なポイントです。また、窓を開けたり換気扇をまわしたりと、たまった湿気もしっかり逃がしましょう。

3-2.入浴後は壁・床を熱めのお湯と水で洗い流す

入浴後のちょっとした心がけも、赤カビを防ぐ大切なポイントとなります。皮脂や石けんカスなど、赤カビの栄養となるものが浴室内に残っているので、それらを洗い流してください。できれば、赤カビを弱らせることができる熱めのお湯で浴室中を洗い流すといいでしょう。シャワーの設定温度は45℃が理想です。そして、45℃のお湯で流した後は、冷水にしてもう1度浴室全体を洗い流してください。そうすることで浴室の温度が下がり、赤カビが繁殖しにくくなります。

3-3.水分を残さないようにする

赤カビの正体であるロドトルラは、水分さえあれば繁殖する酵母菌です。そのため、赤カビを発生させないためには、水分を残さないようにすることが1番効果的と言えるでしょう。入浴後に洗い流したとしても水分が残ってしまうため、できれば浴室内の水分をバスタオル等で拭き取ってください。こまめに掃除している状態なら、体を拭いたバスタオルを使っても衛生面に問題はありません。

3-4.換気扇をまわしたままにする

高温多湿な環境を好む赤カビは、水分と湿気がある場所にすぐ住みつき繁殖します。湿気を飛ばすためにも、入浴中以外は換気扇をまわしたままにしておくといいでしょう。まわしたままにすることで浴室の湿度を下げることができます。「まわしたままにすると電気代がかかるのでは?」と不安になる方が多いと思いますが、24時間まわしたままにしていても1か月につき電気代は数十円~数百円程度です。頑固な汚れになってから掃除するよりも、換気扇をつけたままにしたほうが費用対効果は高いと言えるでしょう。

4.風呂掃除をプロに依頼する方法

自分でキレイにできないほど頑固な汚れになってしまった場合、プロに依頼する方法があります。ここでは、プロの業者に依頼するポイントなどを解説しましょう。

4-1.すでに黒カビが繁殖している・時間がない方におすすめ

赤カビを放置した結果すでに黒カビが繁殖している・頑固な汚れがある方におすすめしたいのが、プロの業者に依頼する方法です。風呂掃除を行っている清掃業者は、汚れに合った洗剤や専用機械を使ってキレイにすることができます。費用はかかりますが、スピーディーかつ徹底的にキレイにできるという点が大きなメリットです。業者がキレイにしてくれた風呂を維持することだけに集中できるため、労力の削減や時間の短縮にもなるでしょう。

4-2.風呂掃除の費用は約7,000円~

風呂の状態や汚れ具合などで異なりますが、業者に依頼する際の風呂掃除費用は約7,000円~です。1万円以内で依頼できる業者がほとんどでしょう。風呂掃除・クリーニングだけ依頼する方はいますが、風呂を含めて洗面台やキッチンなどの水まわりの掃除をまとめて依頼するケースも増えています。業者の中には、水まわりの掃除をまとめて依頼したほうがお得になるケースもあるのです。どの作業にいくらかかるのか料金を確認してください。

4-3.スタッフの対応が丁寧な業者を選ぼう

風呂掃除や水まわりのクリーニングを行っている清掃業者はたくさんありますが、優良業者かどうかはスタッフの対応で決まります。作業実績があり、利用者が多いところほど、スタッフの対応が丁寧でスピーディーです。どのような質問に対しても丁寧に答え、どんな汚れがついているのか、どういう方法で掃除するのか細かく説明してくれます。逆に、きちんと説明をしてくれない業者は信用できません。また、見積書の内容が細かく記載されているかも要チェックです。

5.風呂の赤カビに関してよくある質問

風呂の赤カビに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.赤カビが体内に入るとどうなるの?
A.直接的な影響はほとんどありませんが、場合によっては粘膜に炎症が起こる可能性があります。赤カビが口腔内や目・陰部などに付着すると炎症を起こし赤く腫れあがることもあるのです。すぐに水で洗い流せば問題はありませんが、放置するとひどくなるので注意してください。また、体内に入るとカビ毒が発生し、嘔吐(おうと)や下痢を引き起こす原因となります。シャワーヘッドに赤カビが発生している場合、顔を洗う際に口に付着することがあるのです。

Q.消毒用エタノール以外に効果的な洗剤はあるの?
A.自然由来でできている重曹をおすすめします。重曹はアルカリ性の性質があるため、酸性の性質を持っている赤カビを中和させることができるのです。まずは、重曹水(水100ml:重曹小さじ1杯)を作り、スプレーボトルに入れてから浴室中にスプレーします。排水溝など汚れやすい場所は重曹(粉)のまま振りかけても構いません。また、重曹大さじ5~6杯程度をお湯1Lに溶かして重曹沸騰水を作り浴室中にまくと、さらに高い効果が得られるでしょう。ぜひ試してみてください。

Q.防カビ商品は効果があるの?
A.赤カビをキレイに除去した後に防カビ商品を使えば、未然にカビを防ぐことができます。防カビ商品にもさまざまな種類があるので、しっかりと使用上の注意点と使用方法を把握することが大切です。防カビ商品はカビをキレイにした後に使うことで効果を発揮します。カビを除去しないまま使っても意味がないので、その点だけ注意してください。

Q.業者による赤カビの掃除方法は?
A.高圧洗浄機やスチームクリーナー、カビに効果的な専用洗剤を使用します。特に、重曹・セスキ炭酸ソーダ・キッチンハイターなどを使っても落ちない場合は、スチームクリーナーを使うことが多いでしょう。タイル目地など細かい部分にも使えるので、徹底的に赤カビが除去できます。家庭用のスチームクリーナーも販売していますが、業者に依頼したほうが安心です。

Q.掃除費用を最小限に抑えるポイントは?
A.早めに赤カビを除去するのが1番のポイントです。前述したように、赤カビを放置するといずれ黒カビになり、頑固な汚れになってしまいます。素人では落とせなくなるので、業者に依頼するしかありません。また、放置する時間が長くなるほど、業者でも落とすのにひと苦労することになります。頑固な汚れほど費用が高くなるため、見つけたときにすぐ掃除することが大切です。

まとめ

風呂に発生する赤カビは、高温多湿な風呂場の環境やシャンプーボトルの液だれなどが原因です。繁殖力が強いカビなので、絶対に放置せず、すぐに掃除するように心がけてください。早めに掃除すれば、繁殖を未然に防ぐことができます。また、除去した後は、再び発生しないように予防策を施すことが大切です。風呂を使用した後は必ず換気したり、窓を開けたりと乾燥させてください。風とおりがよくなれば、湿気がたまることもなくカビ予防ができるでしょう。