たびたび話題になる生前整理や遺品整理などの住宅整理作業。似たような名前のため、違いが分からない方も多いことでしょう。

そこで、今回は福祉整理を中心に住宅整理の情報をご紹介します。老人ホームを選ぶ際のポイントも簡単に解説しますので、ぜひお見逃し無く!

  1. 福祉整理について
  2. さまざまな『~整理』を知っておこう
  3. 老人ホームを選ぶ際のポイントとは?

1.福祉整理について

1-1.福祉整理とは?

年と取ると膝や腰を悪くしてなかなか大規模な片付けが難しくなります。また、元気に見えても骨は弱っており、重いものを持ち上げたときにぎっくり腰となってしまう方も珍しくありません。

そのようなことを防ぐ意味を込め、体の弱った高齢者の代わりに家を片付け・清掃することを『福祉整理』といいます。生前整理と同一視されがちですが、生前整理が死後家族が困らないように行う意味合いが強いのに対し、福祉整理は高齢者が自身の生活のために行う整理作業です。

1-2.福祉住環境コーディネーター

福祉整理においては高齢者自身がより良い生活を送るためのものです。そのため、専用のプロというものが存在しています。

それが、『福祉住環境コーディネーター』。福祉住環境コーディネーターは高齢者や障害者がより良い生活を送れるように、住みやすい住環境を整備する調整役のことです。

福祉住環境コーディネーターの資格者は建築・医療・介護福祉・行政などの知識を有しています。そのため、普通は見落としがちな住宅環境にまつわる要素をしっかりと理解し、より利用者の立場に立って住宅環境を整備することができるでしょう。

たとえば、認知症の方がより使いやすい住宅環境を整えたり、腰や膝を悪くした人が苦労しないための住宅環境の提案をしたりしてくれます。

とはいえ、資格はあるものの民間資格であるため権限自体は大きくありません。そのため、それぞれの能力に大きく左右されてしまうというデメリットがあります。能力が無い人とある人の差が顕著なので、場合によっては依頼しない方がいい場合もあるでしょう。事前に実績などを調査してから依頼してくださいね。

1-3.どんなときに福祉整理を依頼すればいいの?

基本的には片付けをしたいときに頼めばいいのですが、参考によくある依頼の状況をご紹介します。

  • 腰や膝が悪いため、定期的なハウスクリーニングをしてもらいたい
  • 施設に入居するため、至急暮らしている家の整理をする必要がある
  • 認知症にかかっている
  • 知的障害でなかなか家の整理ができない
  • 介護ベッドを導入するため、不用品を処分したいとき

2.さまざまな『~整理』を知っておこう

2-1.老前整理

老前整理というのは、老いる前に本人が自分のために行う整理のこと。住宅環境を整えたり、不要な資産を売却して老後に備えたりします。

たとえば、子供が成人するまでは一軒家でなければ不便でしょうが、老後となれば子供は皆独り立ちしているはずです。となれば、広い家は必要ではなくなりますよね。そこで土地や家を売却し、夫婦で住みやすいにマンションなどを購入するのも老前整理の一つです。

また、老後は定年退職に伴ってやることが少なくなりますよね。そこで、趣味のために資産を整理することも老前整理の特徴。たとえば、釣りやゴルフ、将棋やチェス、読書、登山、絵、書道……などは老後の趣味として多くの人が始めるようですね。

2-2.後見整理

最近広まりつつあるものに、後見整理というものもあります。

後見制度(成年後見制度)は痴ほう症や知的障害などの精神障害により、判断能力が十分でない方が不利益をかぶらないように後見人をつけてもらう制度です。

しかし、後見人がついた後、老人ホームなどの介護施設や医療施設に移り住むとなると、住居などの家財道具を整理する必要が出てきます。人がもつ物品というのは非常に膨大ですから、後見人が個人で行うには大きな労力を必要とするでしょう。

そこで、後見人の代わりに整理することを後見整理といいます。あまり一般的ではありませんが、状況に置いては非常に有用な整理作業でしょう。

2-3.生前整理

生前整理というのは自分の死後に備えて財産を整理したり、遺言状やエンディングノートを作成したりする作業をいいます。あらゆる整理作業の中でも最も重要で、おろそかにすると死後家族に迷惑をかけかねません。

遺言状は死後の財産がどのような分配になるかなどを書いたものです。最も新しいものだけが有効となりますので、署名と押印はもちろんのこと、必ず日付を記入しておきましょう。また、遺言状には有効となる書き方が決められていますので、事前に調べるか、弁護士と話し合って書くようにします。

エンディングノートに関しては、遺言状よりもよりラフなものです。家族に向けたメッセージや自分の葬儀をどのようにしてほしいかなどを書きます。

2-4.遺品整理

遺品整理は、故人の残した物品を整理する作業のことです。人の所有物というのは非常に膨大ですから、なかなか個人では片付けられないでしょう。

このようなときには不用品回収業者が有効的。ほかの整理作業と違い、形見分けが終わったらほとんどのものを処分するので、大量処分の得意な不用品回収業者が便利というわけです。

3.老人ホームを選ぶ際のポイントとは?

3-1.体験入居する

最近、老人ホームでの不祥事が増えています。信じられないことに認知症の老女を性的暴行したり、あげくは殴る蹴るなどの暴力を振るって殺したり……そんな老人ホームに大切な家族を入れるわけにはいきませんよね。

そこで、老人ホームには1度体験入居するのがおすすめです。もちろん、老人ホーム側も最初ばかりいい顔をするという可能性は否めませんが、それでも何も事前情報を知らずに入居するよりは安心でしょう。

3-2.入居者に話を聞いてみる

老人ホームに入居している老人は、何も認知症などの自己判断能力が衰えた方たちばかりではありません。中には腰を悪くしたために入居している人や、体も思考能力も十分だけれど家族の意向で入居しているという人もいます。

そのような方に実際に雰囲気を確認してみることで、事前に安心かどうかの判断基準となるでしょう。

話して聞けないという場合にも、施設内の雰囲気をしっかりと確認しておくことが大切です。スタッフがみんなむすっとしていて作業的な仕事をしている場合は、ストレスの強い職場環境のことがあります。職場のストレスはか弱い老人に向きやすいですから、家族を守るためにも非常に重要なポイントです。

まとめ

いかがでしたか?

今回は福祉整理と老人ホームにまつわる記事を中心にご紹介しました。

  1. 福祉整理について
  2. さまざまな『~整理』を知っておこう
  3. 老人ホームを選ぶ際のポイントとは?

福祉整理は必ず行う必要はありません。しかし、行っておけば生活がすっきりとし、より過ごしやすくなるはずです。ぜひ、検討してみてくださいね。