ハウスダストという言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、具体的にどのようなものかを説明できる人は少ないと思います。
そこで、今回はハウスダストが人体に与える影響をご紹介しましょう。ハウスダストはすべての人に影響をあたるわけではありません。その一方で、ハウスダストを放っておくと深刻な影響を受ける人もいるのです。今回はハウスダストの取りのぞき方や、ハウスダストの発生を防ぐ方法もご紹介します。ハウスダストが人体に与える影響が知りたいという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
- ハウスダストって何?
- ハウスダストが人体に与える影響とは?
- 現在の家は、ハウスダストが発生しやすい?
- ハウスダストを減らす方法とは?
- おわりに
1.ハウスダストって何?
ハウスダストとは、肉眼では見えにくい微細なほこりの総称です。その内訳は、ダニの死骸や害虫のフン、ペットや人の毛、繊維のクズなどさまざま。タバコの灰や花粉、さらに中国からやってくる黄砂や室内に発生したカビの胞子もハウスダストになります。
2.ハウスダストが人体に与える影響とは?
では、ハウスダストは人体にどのような影響を与えるのでしょうか? この項では、その一例をご紹介します。
2-1.アレルギーの原因になる
ハウスダストに対する抗体が体内でできると、アレルギー反応が起こります。風邪でもないのに鼻水が止まらないという場合は、アレルギー性鼻炎の可能性が高いです。
また、皮膚に症状が出ると、かゆみが止まらなかったり湿疹(しっしん)ができたりします。
子どもの場合は「アトピー性皮膚炎」と診断されることもあるでしょう。さらに、意外と症状が出やすいのが目です。「アレルギー性結膜炎」といって、目が真っ赤に充血したり涙が止まらなくなったりします。アレルギーの症状がひどくなると、ハウスダストがある部屋に入っただけでくしゃみや涙が止まらなくなるでしょう。そのような点では、花粉症とよく似ています。
2-2.気管支ぜんそく
ハウスダストが原因の気管支ぜんそくは年齢を問わずに発症します。子どもの場合は、1~2歳が発症のピークになるのです。このまま呼吸が止まってしまうのではないか、と思うほどの激しい咳(せき)が出るのが特徴。
その後に独特の呼吸音がします。大人になるまでに約7割が完治しますが、再発をくりかえすこともあるので注意が必要です。成人の場合は、風邪でもないのに咳(せき)が止まらないので病院に行った結果、判明することが多いでしょう。
3.現在の家は、ハウスダストが発生しやすい?
ハウスダストが発生する家というと、掃除が届いていない不潔なところというイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、ごく普通に毎日掃除機をかけている家でもハウスダストは発生しています。
また、「自分たちが子どものころは、ハウスダストなどなかった」と思う年配の方もいるでしょう。昔はハウスダストを発見する技術がなかったといえばそれまでですが、実は日本の伝統的な家具や家はハウスダストが発生しにくいのです。日本の家は、間口が広くて風通しがよいのが特徴。日本の家具は紙や木、ワラが主で細かい破片が飛び散りにくいのです。
一方、現代の家は気密性が高く、窓を閉め切ってしまえば空気が循環しにくいでしょう。さらに、布を表面に張ったソファーやじゅうたん、カーペットなど布製品がたくさんあります。そのうえ、羊毛や羽毛の布団はハウスダストが発生しやすいのです。
ちなみに、布はダニの住みかにもなるでしょう。ダニは低温に弱いですが、今の家は1年中温度が一定に保たれています。ですから、ダニが発生しやすいのですね。
今は犬や猫などの毛があるペットは室内飼いが基本になっています。これも、ハウスダストが発生しやすい原因です。つまり、ハウスダストが発生する家は、特別不潔というわけではありません。アレルギーを発症していないから気がつかないだけで、ハウスダストはどの家にも発症しているのです。
4.ハウスダストを減らす方法とは?
では、実際にアレルギーが出てしまい、医師からハウスダストを除去するように勧められた場合はどうしたらよいでしょうか? この項では、ハウスダストを除去する方法をご紹介します。
4-1.家具の裏や下も念入りに掃除する
ハウスダストは家じゅうのいたるところに発生します。ですから、毎日掃除機をかけても家具の上や裏などにハウスダストはたまり続けるでしょう。なので、毎日の掃除は家具の上や下、裏なども念入りに行ってください。念入りに掃除をするには、整理整頓も大切です。アレルギーの家族が過ごす部屋は余計なものは置かずに、掃除しやすいように工夫しましょう。ちなみに、ソファーや棚などは足がついている方が床を掃除しやすいです。
4-2.空気清浄機を利用する
ハウスダストはとても細かいほこりです。ですから、普通に歩いているだけでほこりが空中にまいあがるでしょう。また、タバコの煙など空中を漂うハウスダストも多いです。ですから、空気清浄機を利用して室内の空気をきれいにしてください。窓を開けるのも空気の入れ替えができますが、花粉や黄砂の季節は逆効果です。
また、布団にも専用のヘッドをつけて掃除機をかけると、ダニの死骸が取れます。羽毛布団や羊毛布団などは定期的に日光に当てて、ダニの死骸などを取りのぞきましょう。
4-3.掃除用具や掃除の仕方にもコツがある
今は、ハウスダストをよりきれいに取りのぞく掃除用具も販売されています。また、ハウスダストを取りのぞくには、掃除機ではなくモップの方が効果的なのです。ですから、ハウスダストを取りのぞく掃除用具を使い、掃除機をかける前にモップがけをしましょう。
ちなみに、朝起きてすぐや帰宅直後はほこりが床に落ちているので、掃除しやすいです。
このタイミングで掃除ができるのなら、一番よいでしょう。さらに、ペットの抜け毛を防ぐために、服を着せるのも効果的です。ただし、猫は嫌がるかもしれません。この場合は無理強いをせず、ペットの毛をこまめにブラッシングして抜け毛を防ぎましょう。
4-4.古い家具は処分する
じゅうたんや布張りのソファーなどの布製品は、古いほど繊維クズが飛び散りやすいです。
ですから、古い家具はできるだけ処分しましょう。特に、布がほつれていたり毛がよく抜けるものはハウスダストも発生しやすいです。古い家具をまとめて処分したいという場合は、不用品回収業者に依頼すると便利でしょう。有料ですが、家庭内から出る不用品をまとめて回収してくれます。家がすっきりすれば、より掃除もしやすくなるでしょう。
5.おわりに
いかがでしたか? 今回は、ハウスダストが人体に与える影響についてご説明しました。
まとめると
- ハウスダストは肉眼では見えにくいほこりの総称。
- ハウスダストはアレルギーやぜんそくの原因になる。
- ハウスダストは掃除をしていても発生する。
- ハウスダストを防ぐには専用の掃除道具や空気清浄機を使おう。
- 古い家具はハウスダストが発生しやすいので処分しよう。
ということです。ハウスダストアレルギーは、最も発生しやすいアレルギーのひとつ。さらに、ほかのアレルギーと併せて発症する可能性も高いです。しかし、食品のアレルギーと違って、ハウスダストは除去しやすくもあります。ハウスダストアレルギーと診断されたら、できるだけ家を清潔に保ちましょう。
また、毛足の長いじゅうたんはダニの住みかになりがちです。ハウスダストを防ぎたかったら、できるだけ毛の長いものやムートンなどの毛皮は家に置かないようにしましょう。