「事務所が散らかっているので片付けたいけど、どんな方法やコツがあるのだろう」とお考えではありませんか? 事務所がすっきり片付いていると、仕事の効率が格段に上がり、業績アップにもつながるものです。しかし、実際にどんな方法で片付けるとよいのか、どんなポイントを押さえておくべきかなど、よく分からないこともありますよね。
そこで今回は、事務所の片付けについて詳しく解説しましょう。
この記事を読むことで、事務所を効率よく片付けるポイントがよく分かります。事務所を片付ける予定がある人は、記事を読んでみてください。
1.事務所が散らかりやすい原因は?
最初に、事務所が散らかりやすい原因は何か見ていきましょう。
1-1.ものが多過ぎる
事務所が散らかりやすい理由の一つに、ものが多過ぎることが挙げられます。事務所には、書類や資料、パソコン、オフィス家具、オフィス家電など多くのものがあるものです。ものが多過ぎれば、整理整頓の難易度が上がり、すぐ散らかってしまいやすいのも自然なことでしょう。特に、狭い事務所では、必要最低限のものを置くだけで精一杯なこともあります。
1-2.収納スペースが限られている
収納スペースが限られているのも、事務所が散らかりやすい理由といえます。実際に、収納スペースに余裕がある事務所は、多くありません。むしろ、経費削減の影響で、事務所の広さも最低限の物件であることが多いでしょう。しかし、企業活動を続けていればものが増えるばかりで、収納スペースもすぐにものであふれてしまうものです。
1-3.人によって片付け方が異なる
人によって片付け方が異なることも、事務所が散らかりやすい理由になります。それぞれがよかれと考えて片付けていても、片付け方が異なれば、ゴチャゴチャしてしまうものです。結果的に、何がどこに収納してあるのか分かりづらい、ものを出し入れしにくいといった、使いづらい事務所になってしまいます。
1-4.片付けをやらない人がいる
片付けを業務外だと考え、やらない人がいるのも、事務所が散らかりやすい理由です。確かに、片付けは企業の利益に直接つながるものではありません。そのため、営業活動など、直接企業の利益につながる業務だけを行い、雑務を一切行わない人もいます。当然片付けも行わないので、その人の周囲は散らかり放題になってしまうのです。専門の掃除スタッフがいる場合や周囲の人が気遣って片付けてくれる場合はよいのですが、そのままになるとゴミや不用品が積み重なるばかりでしょう。
1-5.業務が多忙過ぎて片付ける時間がない
業務が多忙過ぎると、事務所を片付ける時間がありません。片付けに時間を使うぐらいなら、業務を優先したいと考えるのも当然のことです。しかし、業務が多忙なほど、散らかっていて困るのも事実でしょう。たとえば、大切な書類がどこにあるか分からない、使いたいときに使いたいものをすぐ取り出すことができないことなどがあります。業務効率を高めるためにも、事務所の片付けが重要な意味を持つのです。
2.事務所を片付ける前の準備
事務所を片付ける前にはどんな準備が必要か、詳しく見ていきましょう。
2-1.片付けの作業スケジュールを立てる
最初に、片付けの作業スケジュールを立てましょう。事務所全体をチェックし、主な場所ごとの物量・やるべきこと・作業の難易度などを把握し、作業スケジュールに反映させてください。このとき、作業時間は余裕を持って設定しておくことが大切です。作業時間が短か過ぎると中途半端な状態で終わったり、従業員に過度な負担をかけてしまったりすることになるので注意してください。
2-2.必要な道具を用意する
事務所を片付ける前に、必要な道具を用意しておくことも大切です。事務所の片付けには、以下のような道具が必要になります。
- 掃除機
- フロアーワイパー
- 使い捨てタイプの掃除用シート(ウェットタイプ・ドライタイプ)
- ほうき
- ちり取り
- 雑巾
- バケツ
- 掃除用中性洗剤
- ゴミ袋
- ダンボール箱
- ビニールテープ
- 三角巾
- マスク
- 使い捨てタイプのゴム手袋
なお、実際の片付けで足りないと困るので、人数分より多めに用意しておくことがおすすめです。
2-3.片付け方の決定や担当場所の割り振りを行う
次に、片付け方を決めたり従業員に担当場所の割り振りを行ったりしましょう。なるべく具体的に決めておくことで、実際の片付けがスムーズに進みやすくなります。また、できるだけ簡単で従業員に負担の少ない片付け方を考えましょう。主な場所ごとに片付けのポイントや注意点をまとめておくことも、おすすめです。
2-4.従業員全員に事務所の片付けスケジュールを通知する
準備の仕上げとして、従業員全員に事務所の片付けスケジュールを通知しましょう。早めに通知することで、多くの従業員に協力してもらいやすくなります。片付けの予定日近くになると、仕事で不在がちの人に伝えるのが難しくなるので、なるべく1週間前までには通知しておくとよいでしょう。通知する際、社内メールを送信する、掲示板に貼り出す、朝礼などで直接伝えるなど、複数の方法で行うとベストです。
3.事務所を片付ける流れ
事務所を片付ける流れを、具体的に見ていきましょう。
3-1.最初に手順と担当場所を確認する
事務所の片付けに入る前に、従業員へ手順と担当場所を確認させましょう。改めて確認してもらうことで、作業に集中してもらいやすく、作業効率が上がるからです。また、自分の担当場所を強く認識することで、片付けに対するモチベーションを高めてもらうことができます。
3-2.ゴミや不用品を仕分けて処分する
まずは、明らかにゴミと分かるものを仕分けて処分しましょう。具体的には、紙くず・食品くずなどです。また、不要な文房具類、小型の備品類なども、少量ならばゴミとして処分してください。次に、不用品を仕分けて処分しましょう。不用品の仕分け基準については、以下を参考にしてください。
- 今後使う予定がない
- 傷みや汚れが激しい
- 不具合や故障などで正常に使えない
- 同じようなものが複数あり過剰在庫になっている
なお、仕分けに迷うものは、自己判断せず周囲に聞いてから判断することが大切です。
3-3.必要なものだけを使いやすい場所に収納する
不用品の仕分けが終わったら、必要なものだけを使いやすい場所に収納してください。このとき、見やすさや出し入れのしやすさを考えておくことが重要です。まだ収納できるからと、関係がないものを無理に入れ込むのはやめましょう。同時に、誰でも分かりやすく使いやすい方法で収納できるよう、工夫してください。必要なものの収納が終わったら、最後に仕上げとして隅々まで掃除しましょう。
4.事務所を片付けるときの注意点
事務所を片付けるときには、どんな点に注意すればよいのでしょう。
4-1.重要なデータの流出に気を付ける
事務所を片付けるときは、重要なデータの流出に気を付けましょう。事務所には、経営情報、新製品の開発情報、従業員の個人情報、顧客情報など、あらゆる重要なデータが存在します。事務所を片付ける際、こうした重要なデータが流出したら、管理不行き届きで、企業としての信頼を失ってしまうこともあるでしょう。また、重要なデータを第三者に悪用された場合、思わぬ損害を受ける可能性があります。
4-2.一部の従業員に負担がかかり過ぎないようにする
事務所の片付けでは、一部の従業員に負担がかかり過ぎないよう注意してください。従業員の中には、積極的に片付ける人もいれば、適当に片付けている人もいます。積極的に片付ける人ばかりに負担がかかるのでは、不公平でしょう。実際に片付けるときには、適当に片付けている人に対して具体的に指示を出して動いてもらうなどの工夫が必要です。
4-3.共有スペースの片付けルールを周知させる
共有スペースの片付けルールを周知させるのも、事務所の片付けで注意すべき点です。従業員がそれぞれ自己流で片付けていれば、すぐに散らかってしまいます。まずは、できるだけ簡単で、分かりやすい片付けルールを考えましょう。たとえば、書類の種類ごとにフォルダーの色を決めて収納場所を固定する、備品はキャビネットの下段に定位置を決めて収納するなどです。分かりやすい片付けルールが周知されれば、従業員の意識が変わり常に片付いた状態を維持できるようになります。
4-4.作業遅れをこまめにチェックして挽回していく
作業遅れをこまめにチェックし、適宜修正・挽回していくことも大切です。事務所の片付けは、計画どおりに進むほうが少ないと考えてください。たとえば、予定外の来客があったり、急ぎで対応すべき仕事が舞い込んだりすることがあります。また、予定より時間がかかってしまうこともあるでしょう。そんな場合でも、作業遅れをこまめにチェックし、修正することで、挽回する余地が生まれます。
5.事務所の片付けで出た不用品の処分方法
事務所の片付けで出た不用品は、どんな方法で処分できるのでしょう。
5-1.販売業者の回収サービスを利用する
事務所の片付けで出た不用品のうち、以下のようなものは、販売業者の回収サービスを利用して処分できることがあります。
- オフィス用家電
- オフィス用家具
買い替えを伴う場合は、不用品の回収を無料で依頼できることもあるでしょう。単に回収サービスを依頼するだけの場合は有料となることが多いため、販売業者に見積もりをもらって検討してみてください。
5-2.不用品回収業者に処分してもらう
不用品回収業者でも、事務所の片付けで出た不用品を処分してもらうことが可能です。不用品回収業者では、回収後の不用品を状態によって再販したり再生資源や再生燃料などで活用したりしています。不用品回収業者に依頼するそのほかのメリットは、物量が多くても1回で回収してもらえる、都合のよい日時と場所で回収してもらえるなどです。なお、事務所の不用品は産業廃棄物扱いになるため、産業廃棄物収集運搬許可を取得済みの業者であることを確認してから依頼してください。
5-3.買取に出す
事務所の片付けで出た不用品は、以下のような方法で買取に出すことも可能です。まだキレイで十分に使えるものは、買取に出すことを検討してみるとよいでしょう。
- 中古事務所用品買取専門業者に売る
- リサイクルショップに売る
- 不用品回収業者に買取してもらう
- ネットオークションやフリマアプリに出品する
上記のうち、一番おすすめは、不用品回収業者に買取してもらう方法です。不用品回収業者なら、万が一買取不可になっても、そのまま引取処分を依頼できます。また、都合のよい日時と場所を指定して回収してもらえる点でもおすすめです。
6.事務所の片付けに関するよくある質問
最後に、事務所の片付けに関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。
Q.事務所を片付けるメリットは?
A.以下のようなメリットがあります。
- 掃除が楽にできる
- 収納に余裕ができる
- 仕事の効率が上がる
- 従業員のメンタルが安定する
- ものにつまずくことなどによるケガを予防できる
- 失くしものが減り経費節約につながる
- 急な来客にも慌てずに済む
Q.事務所の片付けにおすすめの季節は?
A.春や秋など、過ごしやすい気温の季節なら、事務所の片付けもスムーズに行いやすいでしょう。水掃除がつらくなく、汚れを簡単に落としやすいからです。また、窓を開放したままでも寒い・暑いといったことがなく、風とおしがよい状態で片付けできる点でもおすすめといえます。
Q.なるべく多くの従業員に作業してもらうコツは?
A.事務所を片付けるメリットを、分かりやすく説明することがおすすめです。また、直属の上司などからも、協力してもらえるよう助言してもらいましょう。
Q.業者に不用品の処分を依頼する場合は日曜日も指定できる?
A.業者の営業日であれば、日曜日でも問題なく指定できます。また、休業日であっても、オプション費用の支払いにより対応してもらえることがあるので、確認してみるとよいでしょう。
Q.事務所の片付けは業務時間内に実施するべきか?
A.事務所の片付けも業務の一部ですから、業務時間内に実施するのが一般的です。多忙などの理由で業務時間外の片付けが必要な場合は、従業員の承諾を得て行うようにしましょう。なお、業務時間外に片付ける場合は、時間外手当の支給も忘れないでください。
まとめ
今回は、事務所の片付けについて詳しく解説しました。すっきりと片付いた事務所は、仕事の効率がアップする、従業員のメンタルが安定する、ものを失くしにくくなるなど、多くのメリットがあります。散らかった事務所のままでは何もよいことがないので、この記事を参考にして片付けるとよいでしょう。なお、事務所の片付けで出た不用品は、信頼できる不用品回収業者に処分を依頼すると便利でおすすめです。