家具のカビ

大切な家具にカビが生えると、とてもショックですよね。カビ取り剤を使ってもいいのか、どうすれば元どおりになるのか……家具のカビ取りで悩んでいる方は多いでしょう。繊細な素材でできている家具ほど、カビの除去に注意を払う必要があります。少しでもやり方を誤れば、さらにひどい状態になるので要注意です。

そこで、本記事では、家具のカビを取る方法や注意点などを解説します。

  1. 家具にカビが生える原因
  2. 家具のカビを放置する危険性
  3. 家具のカビを取り除くことはできるのか?
  4. 家具のカビ掃除に必要な道具
  5. 家具のカビを掃除する方法
  6. 家具のカビを予防する方法
  7. 家具のカビに関してよくある質問

この記事を読むことで、家具にカビが生える原因やカビを予防する方法なども分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.家具にカビが生える原因

まずは、家具にカビが生える原因をチェックしておきましょう。

1-1.湿気が原因

家具にカビが生える原因は、湿気です。温度が20~30℃・湿度が60%以上の環境下でカビが発生するといわれています。特に、湿気がこもりやすい場所はカビが繁殖しやすくなるので注意しておかなければなりません。ほとんどの家具は木製でできていると思いますが、木製は湿気を吸収しやすい傾向があります。家具の素材も、カビが発生する原因といえるでしょう。

1-2.ホコリや汚れ

湿気に加え、ホコリや汚れが栄養分となってカビが繁殖します。毎日使っているテーブルやイスなどの家具が汚れていたり、ホコリが被っていたりしているとカビが発生しやすくなるでしょう。よって、カビの発生を未然に防ぐためには、湿気を逃す工夫だけでなく、ホコリや汚れがたまらないように掃除もしっかりと行う必要があります。

2.家具のカビを放置する危険性

ここでは、家具のカビを放置する危険性について詳しく説明します。

2-1.アレルギーを発症するリスク

カビが生えた家具を放置すればするほど、どんどんカビが繁殖します。カビの胞子が部屋中を漂い、日常生活にも支障をきたす恐れがあるでしょう。特に、注意しておきたいのは、アレルギーの発症です。カビが引き起こすアレルギー症状としては、喘息・皮膚炎・鼻炎・目のかゆみなどがあります。高齢者や子どもはアレルギーが発症しやすい傾向があるため、健康を守るためにもカビは早めに除去しなければなりません。

2-2.建物の寿命が縮まる

家具のカビを放置することで、建物の寿命が縮まる恐れもあります。「そんな大事になるわけない」と思われがちですが、カビを甘くみてはいけません。家具に発生したカビから胞子が空気中に舞い、建物のあちこちに胞子が付着します。そこからどんどん全体に広がるのです。いつの間にかカビの被害が進行し、リフォーム代が高額になったというケースもあります。

2-3.人体への悪影響

アレルギー症状だけでなく、カビを放置することで体調不良や肺炎など人体への悪影響をおよぼす恐れがあります。カビの繁殖は見た目が悪くなるのはもちろん、カビに含まれている毒が人体を侵すことになるでしょう。すぐに人体への影響が現れるわけではありませんが、カビ毒の蓄積によって腎臓障害を引き起こしたり、ガンを発症するリスクが高まったりします。

3.家具のカビを取り除くことはできるのか?

ここでは、家具のカビを取り除く際の注意点などを解説します。

3-1.早めの対処が肝心

家具のカビは除去できますが、早めの対処が大切なポイントとなります。「まだそこまで広がっていないから大丈夫」と思っていても、カビの繁殖スピードはとても速いものです。いつの間にかカビが家具全体に広がり、手の施しようがない状態となります。自分でカビを除去するためには、早い段階で対処することが大切です。対応が遅れるほど、家具にカビが根づき、簡単に取り除けなくなるでしょう。

3-2.繁殖範囲を把握する

自分で家具のカビを除去する前に、繁殖範囲をチェックしておく必要があります。カビの繁殖が部分的なものであれば問題ありませんが、広範囲に広がっている場合は対処しきれません。カビの除去に手間と時間がかかるため、その場合は専門業者に依頼したほうがいいでしょう。また、カビが広範囲に繁殖している場合、すでに奥深くまで根づいている可能性があります。

4.家具のカビ掃除に必要な道具

ここでは、家具のカビ掃除に必要な道具を紹介します。

4-1.アルコール除菌スプレー

家具のカビ取り剤としておすすめしたいのが、アルコール除菌スプレーです。カビはアルコールに弱い傾向があるため、アルコール除菌スプレーが役立ちます。カビ取り剤といえば漂白剤を思い浮かべる方もいますが、木材の場合は傷めてしまう恐れがあるので注意が必要です。特に、無垢材を使用した家具は、漂白剤によって腐食する可能性があります。アルコール除菌スプレーは、漂白剤よりも刺激が弱く、カビを死滅させるといわれているので家具のカビ取りに最適です。

4-2.木材専用のカビ取り剤

アルコール除菌スプレーでカビが取り除けない場合は、木材専用のカビ取り剤がおすすめです。木材専用のカビ取り剤には、木材に使用できる成分が含まれています。市販の塩素系漂白剤を使わずとも、頑固なカビを取り除くことができるでしょう。また、木材専用のカビ取り剤は、窓際や壁紙などにも使えるケースがほとんどです。大掃除にも役立つアイテムですので、ぜひチェックしてみてください。

4-3.そのほか用意すべきもの

ほかにも、家具のカビ取りに必要なアイテムがあります。カビが大量に発生している場合、カビの胞子が舞い上がる可能性があるため、吸い込まないようにマスクを装着しなければなりません。また、汚れてもいい服装や手袋・ゴーグル・雑巾なども用意しておくといいでしょう。普通の掃除に必要な道具が一式そろっておけば、問題なく家具のカビを取ることができます。

5.家具のカビを掃除する方法

ここでは、家具のカビを掃除する方法について詳しく説明します。

5-1.カビの繁殖が軽い場合

そこまでカビが繁殖しておらず、部分的に繁殖している場合は、アルコール除菌スプレーを使った方法がおすすめです。掃除の手順は、下記を参考にしてください。

  1. カビの繁殖範囲をチェックする
  2. アルコール除菌スプレーをキッチンペーパーにスプレーする
  3. そのキッチンペーパーでカビの繁殖部分を丁寧に拭く
  4. カビが繁殖している周辺も拭く
  5. 掃除箇所を完全に乾燥させたら完了

カビの胞子が周辺に広がっている可能性があるため、繁殖部分のまわりもしっかりと拭き取るのがポイントです。

5-2.黒ずみを消す方法

アルコール除菌スプレーを使えばカビを死滅させられますが、黒ずみまで消すことはできません。家具の黒ずみを消したい場合は、木材専用のカビ取り剤を使ってください。前述したように、アルコール除菌スプレーでカビを死滅させた後、木材専用のカビ取り剤をスプレーするだけでOKです。スプレーした後、時間が経過すれば黒ずみがキレイに落ちます。なお、木材専用のカビ取り剤をスプレーした後も、きちんと家具を乾かすことが大切です。

5-3.強くこするのはNG

家具のカビを除去する際、強くこすりすぎないようにしてください。家具に根づいているカビを何とか除去しようと、力を入れてこすりすぎてしまう傾向があります。けれども、家具を強くこすってしまえば、表面に傷がつき、そこからカビの胞子や汚れが付着する恐れがあるのです。さらに、家具の状態が悪化することになるため、やさしく拭くことを心がけましょう。

6.家具のカビを予防する方法

ここでは、家具のカビを予防する方法とポイントについて詳しく説明します。

6-1.こまめに掃除する

家具のカビを防ぐためには、こまめな掃除が大切です。前述したように、ホコリや汚れはカビの栄養分となります。栄養分をなくすだけでもカビの繁殖を抑えることができるでしょう。毎日生活している限り、ホコリは生まれるものですので、定期的に掃除をして家具をキレイにすることが大切です。特に、家具の表面にはホコリやカビの胞子が付着しているため、念入りに掃除してください。

6-2.空気の流れを作る

湿気によってカビが発生するため、できるだけ湿度を下げることもカビ対策となります。湿度を下げるためには、空気の流れを作るのが効果的です。たとえば、家具と壁の間にすき間を作ったり、机の中にはものを詰め込みすぎないようにしたりするなどの方法があります。家具と壁の間には、5cm程度の空間を作ると空気の通り道が生まれるでしょう。湿気がこもりやすい場所に家具を置く場合は、エアコンやサーキュレーターなどで風をあて、空気を動かしてください。

6-3.水気を拭き取る

木製の家具に水気は禁物です。木材が水気を含むと、カビの温床になってしまいます。意外と、カビは結露が発生しやすい冬に繁殖しやすくなるので注意が必要です。結露による水分が家具に吸収され、カビが繁殖するケースもあるので結露はこまめに拭き取りましょう。また、除湿剤や除湿機を上手に活用するのもカビ対策の1つです。できるだけカビが発生・繁殖しにくい環境を作ってください。

7.家具のカビに関してよくある質問

家具のカビに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.カビの主な種類は?
A.主に、以下のような種類があります。

  • 黒カビ:毒性はないが、健康被害をおよぼす。どこにでも発生するのが特徴で、アルコールと熱に弱い
  • 赤カビ:植物を枯らし、腐敗させる。毒性が非常に強い
  • 青カビ:毒性はないが、同時に赤カビが発生しやすい
  • 緑カビ:木材や畳に生えやすく、木材を腐敗させる。毒性が強い
  • 白カビ:住宅内で発生しやすく、毒性を含むことがある
  • 黄カビ:空気中の湿気が栄養分で、乾燥した場所に発生しやすい

上記の特徴から、家具に発生しやすいのは黒カビと白カビです。どちらとも繁殖能力が高いため、見つけたら早めに除去してください。

Q.カビを除去する前の注意点は?
A.いきなり、家具にアルコール除菌スプレーを吹きかけるのはNGです。そこに、ホコリや汚れが蓄積されている場合、アルコール除菌スプレーを吹きかけても意味がありません。まずは、家具についている汚れやホコリをキレイに拭き取る必要があります。あらかじめ家具をキレイにしてから、アルコール除菌スプレーを吹きかけたキッチンペーパーでカビ菌を拭き取りましょう。

Q.自分でカビが除去できない場合は?
A.どうしても自分でカビが取り除けない場合は、専門業者に依頼する方法があります。ハウスクリーニングなどを行っている業者に依頼するか、家具を取り扱っている店舗に相談してください。特に、アンティーク系の家具やブランドものは、繊細な素材で家具が作られています。無理に自分で掃除すると、逆に傷つけてしまう恐れがあるので注意が必要です。

Q.中性洗剤は使えるのか?
A.木製の家具なら、中性洗剤を使ってカビを除去することも可能です。まずは、風とおしのいい場所で家具を乾燥させ、カビの部分を使い古しの歯ブラシでブラッシングしてください。ある程度カビが取れたら、中性洗剤を薄めたぬるま湯に雑巾を浸し、固くしぼってから拭き上げます。そして、キレイな柔らかい布で表面の洗剤を拭き取ればOKです。

Q.布製の家具にカビが発生したときの対処法は?
A.布製のカビを除去するには、衣類用の酸素系漂白剤が有効です。アルコール除菌スプレーでは除去できないので、同じ方法で衣類用の酸素系漂白剤を使ってください。ただし、酸素系漂白剤は揮発しにくい特性を持っているため、繊維に漂白剤が残りやすくなります。そのため、キレイな雑巾でしっかりと漂白剤を拭き取ることが大切なポイントです。木製よりも布製の家具はカビ取りが困難ですので、不安な方は専門業者に依頼することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか? 家具のカビは、湿気やホコリなどが原因です。カビを放置すればするほど家具の状態が悪化してしまうため、早めに除去しなければなりません。カビを除去する方法としては、アルコール除菌スプレーを使う方法があります。ただし、アンティーク系の家具はお手入れが難しいため、専門業者に依頼したほうがいいでしょう。まずは、家具の状態やカビの範囲をチェックした上で、自分でできる方法を試してみてください。