畳はサイズが大きいので処分するにも手間と時間がかかってしまいます。スピーディーに処分したいけれど、どのように処分すればいいのか分からずに悩んでいる方は多いでしょう。畳の正しい処分方法を把握しておけば、自分の都合に合わせて捨てることができます。
本記事では、畳を処分する方法や主な流れなどを解説しましょう。
この記事を読むことで、畳を正しく処分する方法や処分時の注意点などが分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
1.畳の処分が必要になるケースは?
まずは、畳の処分が必要になるケースをチェックしておきましょう。
1-1.寿命を迎えたタイミングで
畳を処分しなければならないケースは、畳が寿命を迎えたタイミングが1番多いでしょう。畳の寿命は約10~15年といわれています。畳は表面の畳表・畳の芯となる畳床・長方に縫い込まれた畳縁に分かれているのが特徴です。畳の寿命は畳床の寿命に左右されるもので、畳を歩いたときに凹(へこ)みを感じたり、フカフカしたりするときは畳表・畳床・畳縁をすべて新しくしなければなりません。
1-2.劣化のサインが現れたとき
畳の寿命は約10~15年といいましたが、10年も経(た)たないうちに交換しなければならない劣化サインが現れます。たとえば、畳の表面が色あせて黄色くなったり、スレてしまったりしたときです。基本的に、畳は4~5年経過するごとに裏と表を一度裏返して、両面使い古した時期が取り替えの目安となります。まだ一度も裏返していないのに、太陽のあたり具合や使用頻度などによっては、交換が必要になるケースもあるでしょう。
2.畳を処分するにはどんな方法があるのか?
ここでは、畳を処分する方法について解説します。
2-1.畳屋に依頼する
新しい畳に取り替える場合は、畳屋に回収を依頼するといいでしょう。多くの畳屋では、新しい畳を購入する方に対して、張り替え時に古い畳の引き取りを行っています。以前は無料で引き取っているところが多かったのですが、今は有料回収がほとんどです。畳屋によってサービス内容や費用が大きく異なるため、事前に確認してから依頼してください。
2-2.可燃ゴミまたは粗大ゴミとして処分する
畳は自治体回収を利用して捨てることができます。自治体によってゴミの分類や処分費用は異なりますが、畳は一辺が30cm以上になるので粗大ゴミに分類されるでしょう。粗大ゴミとして処分する際は、数百円の処分費用がかかります。事前に申し込みをし粗大ゴミシールを貼って、回収日までに指定回収場所へ持ち運ぶことになりますが、畳はサイズが大きいので持ち運びが難しいでしょう。自分で運び出しができない場合は、自治体に相談することをおすすめします。自治体によっては、運び出しをしてくれるところもあるでしょう。
また、可燃ゴミとして処分する場合は、自分で畳を細かくカットしなければなりません。可燃ゴミは粗大ゴミとは違って処分費用がかからないので、何とか小さくしょうとする方が多いのですが、無理は禁物です。畳を小さくするのはなかなか大変なことですし、電動ノコギリがなければカットできないでしょう。
2-3.不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者に依頼するのも畳を処分する方法の1つです。畳の中には、ゴミ処理センターに持ち運べないものや粗大ゴミとして扱えないものもあるでしょう。また、自分で運搬したり取り外したりできないケースもあります。そのようなときは、不用品回収業者に依頼してください。不用品回収業者は自治体で処分するよりも日程に制限はなく、すぐに対応してもらうことができます。処分費用はかかりますが、時間と手間をかけたくない方にはおすすめの方法です。
2-4.リサイクルに出す
ゴミとして捨てるのがもったいない……と思っている方は、リサイクルに出す方法がおすすめです。畳は長わらや破砕わらとしてリサイクル可能なものとなっています。リサイクルすることができれば、畳の素材を再び活用できるでしょう。「畳を何かに活用できるのでは……」と考えている方もリサイクルを受け付けている業者を見つけてください。古畳の回収を行っているリサイクル業者は限られているため、なかなか見つけられないところがあります。処分費用を抑えることはできますが、辛抱強く業者を探し続けなければなりません。
3.畳の処分方法を選ぶポイントと主な流れ
ここでは、畳の処分方法を選ぶポイントと処分時の大まかな流れについて解説します。
3-1.費用面を重視する
処分方法を選ぶポイントとして、費用面を重視することがあります。なるべく費用をかけたくない方は、自治体のゴミとして処分したり、リサイクル業者を見つけたりするところから始めるといいでしょう。畳屋や不用品回収業者に依頼すると費用はかかりますが、手間と時間をかけることなく処分できます。それぞれ畳の処分にいくらかかるのか確認した上で、自分が何を重視するのか考えてみるのもポイントの1つです。
3-2.そのときの状況に合わせる
そのときの状況に合わせて処分方法を決めるのも選択肢の1つです。たとえば、改築やリフォームなどで畳を取り替える場合は、施工業者や畳屋に依頼したほうがスピーディーでしょう。わざわざほかの業者に依頼するよりも、関連業者に依頼したほうが手早く処分を済ませることができます。時間に余裕があるのなら、ゆっくりとリサイクル業者を探すことが可能です。畳以外にも処分したい不用品があれば、まとめて回収依頼できる不用品回収業者に依頼するといいでしょう。このように、そのときの状況はさまざまですので、自分の状況に合った方法で処分することも大切です。
3-3.処分の主な流れをチェック!
回収業者に処分を依頼する際の大まかな流れをチェックしておきましょう。
- ホームページまたは電話で問い合わせをする
- 訪問日時を決める
- スタッフが家にやってきて畳の回収を行う
- 回収後、費用を支払って完了
業者によっては、回収前に畳の状態をチェックすることもあります。また、業者ごとに流れも異なる可能性があるため、どのような流れで回収することになるのか事前の確認が必要です。後でトラブルにならないためにもしっかりとチェックしておきましょう。
4.畳を処分する際の注意点
ここでは、畳を処分する際の注意点を解説します。
4-1.産業廃棄物扱いになることも
処分の理由によっては、畳が産業廃棄物扱いになるケースがあるので注意しなければなりません。産業廃棄物扱いになるケースとは、リフォームや家の取り壊しで不要になった畳を処分するケースです。この場合、解体工事という事業活動が入るため、排出されたゴミはすべて産業廃棄物になります。産業廃棄物は自治体で捨てることができません。一般的に、産業廃棄物収集運搬許可を取得している回収業者へ依頼することになるでしょう。くれぐれも自治体のゴミとして出したり、無許可の回収業者に依頼したりしないように注意してください。
4-2.見積書や処分費用を確認する
畳を処分する場合は、見積書や処分費用を必ず確認してください。処分方法によっても処分費用は大きく異なりますが、畳の素材によっても費用に違いがあります。畳床はもともと天然の稲わらでできた本畳が主流でしたが、最近はさまざまな素材の畳が登場しているのです。畳の素材としては、大きく天然素材と樹脂加工の2種類に分けられます。樹脂加工はプラスチック素材が使われているため、耐久性に優れているのが特徴です。畳にどのような素材が使われているか素人では判断しにくいので、畳屋に相談するといいでしょう。
4-3.無料と謳(うた)っている業者に要注意!
不用品回収業者を利用する際、無料と謳(うた)っている業者に注意が必要です。「今なら無料で回収します」と大々的な宣伝を行っている回収業者は、悪徳業者の可能性が高いでしょう。最初は無料と偽りお客を引き寄せ、回収後に高額な追加費用を請求するトラブルが相次いでいます。悪徳業者とトラブルになる原因としては、しっかりと料金を確認していなかったり、見積書を細部までチェックしていなかったりすることも挙げられるので注意しなければなりません。
4-4.回収業者選びのポイント
悪徳業者に引っかからないためにも、回収業者選びのポイントを押さえることが大切です。どの回収業者に依頼すればいいのか分からない方は、以下のポイントを参考にしてください。
- 不用品回収の実績があるか
- サービス内容が充実しているか
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 実際に利用した人の口コミや評判がいいか
- 見積書の内容が具体的に記載されているか
- 無料相談や無料見積もりを行っているか
5.畳の処分に関してよくある質問
畳の処分に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.畳の主な種類は?
A.畳といってもさまざまな種類があります。主な種類は以下のとおりです。
- 縁付き畳:一般的な畳の種類。色や柄のバリエーションが豊富なため自由に選べる
- 縁なし畳:琉球畳・琉球風畳など縁がない畳。スッキリとしたおしゃれな仕上がりになる
- 床の間用表:床の間用の畳表。目幅が普通の表より広いのが特徴
- 和紙畳:素材に和紙を用いて畳表にしてある畳
- 化学表:水をこぼしてもサッと拭き取ることができるが熱には弱い
- フローリング用薄畳:フローリングの上に敷くことができる畳
- 黄金表:天然のい草を黄金色に変色させてから織り上げたもの
Q.処分費用はいくらぐらいか?
A.自治体で処分する場合は約300~1,000円、回収業者に夜と1畳あたり約2,000~3,000円、畳屋に回収を依頼すると約1,000~2,000円が目安になるでしょう。前述したように、畳の素材によって処分費用が異なるため、事前の確認が必要です。
Q.買い取ってもらうことはできるのか?
A.畳の状態によっては、買い取ってもらうこともできるでしょう。買取専門店やリサイクルショップの中には、畳を買い取っているところがあります。ただし、すべての畳が買取対象になるわけではありません。比較的状態がよく、傷んでいない畳が買取対象になるでしょう。また、畳の買取を行っている業者は少なめですので、業者を見つけ出すまで時間がかかる可能性もあります。
Q.粗大ゴミとして処分するメリットとデメリットは?
A.処分費用を最小限に抑えることはできますが、収集場所まで持っていくのが大変な作業になるでしょう。畳は1枚あたり約30kgあるため、1人で運ぶのは困難です。可燃ゴミとして捨てるために細かくカットすればいいと思われがちですが、畳はそう簡単に小さくすることはできません。また、粗大ゴミの申し込みをしてから回収まで最低1時間以上かかるでしょう。すぐに処分したい方は、ほかの方法を選ぶことをおすすめします。
Q.寿命を迎えた畳をDIYする方法は?
A.畳をDIYする方法はたくさんありますが、中でも簡単にできるのが、フローリングを作る方法です。畳の上からフローリングを作れば、処分する手間がかかりません。また、比較的安価で部屋の印象を変えることができるというメリットがあります。近年は、釘や接着剤いらずのフローリング材も販売されているので、畳表を剝がした状態ではめ込めば、比較的簡単に完成できるでしょう。フローリングに変えるだけでも部屋の雰囲気が様変わりするので模様替えしたい方におすすめです。
まとめ
畳の主な処分方法は、自治体のゴミとして捨てる・張り替えを依頼する畳屋に回収してもらう・不用品回収業者に依頼して処分するなどの方法があります。畳を処分するには費用がかかりますが、無料で回収してくれるところもあるでしょう。ただし、中には悪徳業者が存在しているので、業者選びには十分に注意しておかなければなりません。業者選びのポイントを把握しておけば、上手に畳が処分できます。処分方法ごとのメリットやデメリットをしっかりと把握し、自分に合った方法で処分してください。