「神棚を処分したいけれどゴミとして捨ててもいいのか」「処分する際に注意すべきところはあるのか?」など、神棚の処分で悩んでいる方は多いでしょう。神棚は神様を祀(まつ)る場所なので、ゴミとして処分するにも躊躇(ちゅうちょ)してしまいがちです。気持ちよく処分するためには、正しい処分方法を把握しておく必要があります。
本記事では、神棚を処分する方法や注意点などを解説しましょう。
- 神棚の処分が必要になるケースとは?
- 神棚を処分するにはどんな方法があるのか?
- 神棚の処分方法を選ぶポイントと主な流れ
- 神棚を処分する際の注意点
- 神棚の処分に関してよくある質問
この記事を読むことで、神棚の処分方法を選ぶポイントなどが分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。
1.神棚の処分が必要になるケースとは?
最初に、神棚の処分が必要になるケースをチェックしておきましょう。
1-1.式年遷宮のタイミングで
神棚の処分が行われるタイミングとしては、式年遷宮に合わせるケースが多いようです。式年遷宮とは、伊勢神宮で20年に一度行われる祈りを指しています。神殿を建て替えたり、御装束や調度品が新調されたりするのですが、そのタイミングで神棚を新しくする人も多いのです。中には、式年遷宮のタイミングではなく、毎年お正月を迎える前に神棚を新しくしている人もいるでしょう。なお、神棚を取り替える際は、家の発展や事業の成功などを願い、前の神棚よりもひと回り大きい神棚にするケースもあります。
1-2.引っ越しや建て替え・リフォームなど
引っ越し・建て替え・リフォームのタイミングで、神棚を新しくするケースもあります。新築や改築で自宅や店舗を新しくし場合は、神棚も新しくしたほうがいいとされているからです。神棚は神社からもらったお札や先祖の霊を祀る棚を指しています。神様をお祀りする神聖な場所だからこそ、新しくなった家にも神棚を新しくして、新たな神様の居場所を作ることも大切なのです。
2.神棚を処分するにはどんな方法があるのか?
ここでは、神棚を処分する方法について解説します。
2-1.自治体のゴミとして処分する
神棚を処分する一般的な方法は、自治体のゴミとして処分することです。自治体によっても異なりますが、神棚は木材でできているものはほとんどなので可燃ゴミまたは粗大ゴミに分類されるでしょう。一辺が30cm以上の神棚は粗大ゴミに分離され、可燃ゴミとは違った方法で処分しなければなりません。「ゴミとして処分してもいいのか?」と不安に感じる方が多いと思いますが、神棚は内部に入っているお札とは違って、神棚本体には魂が宿っていないとされています。そのため、ゴミとして処分して構わないという考え方もあるのです。
2-2.神社で処分してもらう
ゴミとして処分すことに躊躇してしまう方は、神社に処分してもらうといいでしょう。ほとんどの神社では、神棚の処分を受け付けているはずです。基本的に、神棚の内部にあるお札は御霊入れをしているので、神社へ持ち込み処分してもらうことになります。神棚もお札と併せて、処分してもらうと安心して手放すことができるでしょう。なお、神社で処分してもらう場合は、祈祷(きとう)・お札の返納・お炊き上げがあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
- 祈祷:神棚に祈りを捧(ささ)げること
- お札の返納:神社にある納札所へ返納する
- お焚き上げ:古い神札やお守りなどをお清めの火で焼くこと
2-3.神棚の専門業者に処分してもらう
神棚を処分する方法として、神棚の専門業者に処分してもらう選択肢もあります。買い替えをする際に、神棚の販売店に回収依頼をすることも可能ですが、神棚の処分を専門にしている業者もあるでしょう。専門業者だからこそ、安心して任せることができます。専門業者の中には、回収後に祈祷までしてくれる業者もあるでしょう。ただし、専門業者に依頼すると回収費用が高くなる恐れがあるので要注意です。
2-4.不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者に依頼するのも、神棚を処分する方法の1つです。不用品回収業者は多種多様な不用品の回収を行っているため、神棚も回収対象となります。また、神棚以外に処分したい不用品もまとめて回収してもらえるでしょう。不用品が大量にあると自分でゴミを分類するのが大変ですが、不用品回収業者に依頼するとゴミを分類したり仕分けたりする必要がありません。手早く処分できる方法といえるでしょう。
3.神棚の処分方法を選ぶポイントと主な流れ
ここでは、神棚の処分方法を選ぶポイントと処分の主な流れを解説します。
3-1.神棚に対する考え方を優先する
処分方法を選ぶポイントとしては、自分が1番何を重要視したいかにあります。たとえば、神棚に対する考え方を優先するケースです。前述したように、神棚を丁寧に扱いたい・ゴミとして処分するのに戸惑ってしまうという方は、祈祷・お札の返納・お焚き上げといった方法を選択するといいでしょう。神棚に対する考え方は人それぞれですので、自分の考え方と合っている方法を選ぶのがポイントです。神棚に対する扱い方を重視したい方は神社に依頼し、そこまで形にこだわらないという方は自治体のゴミとして処分するといいでしょう。
3-2.費用面を重視する
処分方法によって費用が異なるため、それぞれいくらぐらいになるのかチェックし、費用面で選ぶ方法もあります。なるべく処分費用を抑えたい方は、費用面を1番に重視するといいでしょう。最もお得に処分できる方法は、自治体のゴミとして処分する方法です。可燃ゴミの場合は袋代だけで済み、粗大ゴミとして処分する場合も数百円程度で処分ができます。神社に依頼する際は数千円から数万円の処分費用がかかるでしょう。きちんとお焚き上げをして処分するにはお金がかかりますが、ゴミとして処分するだけでしたらお金はかかりません。自分が何を重視するのかによって処分方法が決まります。
3-3.回収業者による処分の流れをチェック!
処分時の流れは処分方法によって異なりますが、参考として回収業者における大まかな流れを紹介します。
- ホームページまたは電話から問い合わせする
- 訪問日時を決める
- スタッフが家にやってきて査定を行う
- 査定額に納得すれば契約し買い取ってもらう
- 現金を受け取り完了
具体的な流れは回収業者によって異なるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。気になるところがあれば、併せて尋ねてください。そのときに解決しておいたほうが、安心してやり取りできます。
4.神棚を処分する際の注意点
ここでは、神棚を処分する際の注意点を解説します。
4-1.難しい場合は取り外しも業者に依頼する
神棚は高い場所に設置されているので、取り外しが困難なケースがあるでしょう。特に、高齢者が無理をして取り外しの作業をしてしまうと、転倒して大ケガをする恐れがあります。自分で取り外しが困難な場合は、不用品回収業者や専門業者に依頼してください。出張回収を利用すれば、取り外しから運搬・回収まですべてを請け負ってくれます。自分でするよりもスムーズに取り外すことができますし、神棚を壊す心配もありません。無理はしないように注意してくださいね。
4-2.処分費用や見積書の内容を必ずチェックする
神棚の処分を依頼する際は、処分費用や見積書の内容を必ずチェックすることが大切です。見積書を確認せずに処分してしまうと、後でトラブルになってしまう恐れがあります。実際に、「回収後に高額な追加費用を請求された」というトラブルが発生しているのです。悪徳業者とのトラブルが多発しているため、いい加減にチェックするのではなく、どのような不用品の処分にいくらかかるのか詳細まで確認しなければなりません。念のため、追加費用が発生するケースなどもしっかりと確認しておきましょう。
4-3.回収業者選びも大事!
悪徳業者に引っかからないためにも、回収業者選びが大切なポイントとなります。どの回収業者に依頼すればいいのか分からない方は、下記のポイントを参考にしてください。
- 不用品の回収実績があるか
- 回収だけでなく買取サービスも行っているか
- スタッフの対応が丁寧かつスピーディーか
- 無料相談や無料見積もりを行っているか
- 見積書の内容が具体的に記載されているか
- 料金設定が明確になっているか
- 口コミや実績があるか
上記のポイントを押さえた上で、複数の業者を比較するといいでしょう。複数の業者を比較することで、悪徳業者を見極めやすくなります。
5.神棚の処分に関してよくある質問
神棚の処分に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.神棚を取り替えたほうがいいサインは?
A.神棚は木材でできているため、およそ5~10年が寿命といわれています。基本的に、汚れたり傷んだりしてきたら新しい神棚に取り替えたほうがいいでしょう。神様をお祀りする神聖な場所になるため、汚れたまま・傷んだままの神棚は気分もよくありません。神様に対する冒涜(ぼうとく)に感じられてしまうので、神殿が激しく損傷してしているなら新しい神棚に取り替えてください。また、悪いことが連続で起きて気分が滅入(めい)ってしまったときなども、気分を一新するために取り替えるべきといえるでしょう。
Q.神社に祈祷を依頼する際の流れは?
A.神社に祈祷をお願いする際の大まかな流れは以下のとおりです。
- お札を神棚から取り出す
- 取り出したお札を和紙などに包んで保管する
- 感謝の気持ちを込めて神棚をきれいに掃除する
- 神社に持ち運ぶ前に大きな布などで神棚をくるむ
- 神社に持っていき、祈祷をお願いする
神棚の中に鏡といった金属類が入っていたり、扉部分に金具やガラスなどがついたりしている場合は、お焚き上げの前にすべて取り外す必要があります。神社によっても決まりが異なるため、事前に確認しておくといいでしょう。
Q.粗大ゴミとして処分する方法は?
A.粗大ゴミとして処分する方法は、自治体によってルールが異なります。多くの自治体では、以下のような流れになるでしょう。
- 自治体のホームページまたは電話で事前の申し込みをする
- コンビニや地元のスーパーなどで粗大ゴミシールを購入する
- 神棚に粗大ゴミシールを貼り付ける(シールに記入する箇所があれば必要事項を書く)
- 指定日までに指定回収場所へ持ち運ぶ
自分で神棚を運ぶことができる場合は、ゴミ処理センターへ直接持ち運ぶことも可能です。
Q.神社へ神棚を持ち込む際の注意点は?
A.ホコリまみれの神棚をそのまま神社へ持ち運ばないようにしましょう。ホコリまみれだったり、汚れがついていたりする神棚を見ると、とても悲しい気持ちになりますし、神社の人に失礼を働くことになります。大切なご先祖を祀る場所でもあるため、感謝の気持ちを込めながら掃除してください。また、神棚の処分と共にほかの不用品を持ち込むのもNGです。
Q.気をつけたほうがいい悪徳業者の特徴は?
A.街中をトラックで回っている回収業者は悪徳業者の可能性が高いので注意が必要です。「今なら無料で回収します」と謳(うた)っている業者ほど、回収後に追加費用を請求してくる可能性があります。また、トラックで回収を行っている業者は実店舗がないことが多いため、トラブルになっても連絡が取れないリスクがあるでしょう。さらに、スタッフの対応が悪かったり、見積書を書類で提示してくれなかったりする業者にも注意が必要です。
まとめ
神棚を処分する方法として、神社に持ち込むまたは郵送する・神棚販売店に引き取ってもらう・不用品回収業者に依頼する・自分でゴミとして捨てる方法があります。それぞれの方法によってメリットやデメリットが異なるため、自分の都合に合った処分方法を選択することが大切です。神棚は神様を祀るところですので処分しづらいところがありますが、自治体のゴミとして捨てることができます。ゴミとして捨てるのがちょっと……と思っている方は、神社に依頼するといいでしょう。神社の祈祷受付所で希望を伝えれば、神棚に祈りを捧げる祈祷を行ってくれます。そうすれば、気持ちよく神棚を手放すことができるでしょう。