「親が認知症になってしまい、家がゴミ屋敷になってしまった」と悩んでいる人は多いと思います。認知症を発症するとあらゆる機能が低下し、健康だったころには考えられない行動を取ることも珍しくありません。ゴミを捨てられない、ゴミを集めてしまうという人も多いのです。
今回は、認知症の人がゴミ屋敷を作りがちな理由やゴミ屋敷を作ってしまった場合の解決方法などを紹介します。
- 認知症患者とゴミ屋敷の関係
- 認知症の人がゴミ屋敷に住むリスク
- 認知症患者の家がゴミ屋敷化しないようにする方法
- 認知症の人がゴミ屋敷を作ってしまった場合の対処方法
- ゴミ屋敷に関するよくある質問
この記事を読めば、認知症の人がゴミ屋敷を作るのを止める方法も分かります。親や兄弟が認知症になり、ゴミ屋敷を作ってしまうかもしれないと不安になっている人は、ぜひこの記事を読んで対策方法の参考にしてください。
1.認知症患者とゴミ屋敷の関係
はじめに、認知症の人がゴミ屋敷を作ってしまう理由などを解説します。
1-1.認知症になるとゴミ区分が難しくなる
現在、自治体のゴミ区分はどんどん複雑になっています。ですから、認知症を発症するとゴミがうまく分別できず、家の中にため込んでしまう人も珍しくありません。
1-2.購入したものを忘れる
認知症を発症すると、買い物をしたことを忘れてしまいます。ですから、同じものを何個も購入し、持ち物を管理できなくなることもあるでしょう。また、セールストークにのせられて、いろいろなものを定期購入してしまうケースもあります。
1-3.ものをため込む
認知症を発症するとものをため込み始める人がいます。散歩中にゴミを拾う、ゴミ収集場からゴミを取ってくるといった問題行動を起こす人もいるでしょう。
2.認知症の人がゴミ屋敷に住むリスク
認知症の人がゴミ屋敷に住み続けると、健康面と安全面に大きなリスクを負います。ゴミ屋敷は不潔になりがちです。特に、食品をため込んでいる場合、腐敗したりカビが生えたりしたものも食べてしまうので、食中毒を起こす可能性もあります。安全面では、ゴミの下敷きになる、ゴミから火災が発生するなどの危険が生じるでしょう。このほか、害虫や害獣の発生や自宅が不法投棄の現場になる可能性もあります。ゴミが多くなるにつれて、自分だけではなく近隣住民にも迷惑がかかるようになるのです。
3.認知症患者の家がゴミ屋敷化しないようにする方法
この項では、ゴミ屋敷化を防ぐ方法を紹介します。
3-1.こまめに様子を見る
認知症の初期は、はっきりと受け答えできるときも一定期間あります。ですから、「このくらいなら大丈夫」と思いがちです。しかし、ふとしたことで混乱することもあり、気づけば日常生活が送れなくなってしまいます。ですから、こまめに様子を見てゴミをため込んでいないか確認しましょう。
3-2.ヘルパーを利用する
ヘルパーに来てもらうと、ゴミ屋敷化を防ぐことができます。親や兄弟が認知症を発症した場合、できるだけ早く病院を受診し、介護認定を受け、ヘルパーを利用できるように手配しましょう。ヘルパーにゴミの管理だけでもしてもらえば、ゴミ屋敷化を防ぐことができます。
3-3.近所の人の手を借りる
事情があり、ヘルパーが利用できず自分もなかなか様子を見に行けない場合、近所の人にゴミ出しだけお願いするという方法もあります。今は、自治体で「見守り制度」を設けているところもあるので、それを利用してもいいでしょう。
4.認知症の人がゴミ屋敷を作ってしまった場合の対処方法
この項では、ゴミ屋敷の片付け方を解説します。
4-1.自分で片付ける場合は人手を集める
ゴミ屋敷を片付けるのには、人手が必要です。ゴミ屋敷の片付け自体は単純で、ひたすらゴミを分別しながら袋に詰め、ゴミ収集場所に持っていきます。ですから、できるだけ人手を集め一気に片付けましょう。また、自治体のゴミ処分場に直接ゴミを持ち込めれば、片付けが楽になります。事前に連絡して軽トラックなどゴミの運搬手段を確保しておきましょう。
4-2.ゴミ屋敷を片付ける業者に依頼する
今は、ゴミ屋敷を片付けてくれる業者も増えています。ゴミ屋敷を片付ける人手が集まらなかった、集めたゴミを保管しておくところがない、ゴミが多すぎて個人では片付けられない場合は、業者に依頼しましょう。今はwebサイトを開設している業者も多く、インターネットで業者を探すと便利です。実績があり、口コミサイトで長期間優良な評価がついている業者ならば、信用できます。複数の業者が候補にあがっている場合は、見積もりを出してもらって比較しましょう。見積もりを分かりやすく正確に作っている業者は信用ができます。また、相場も把握できるでしょう。見積もりを見て分からないところがあれば、どんどん質問してください。
5.ゴミ屋敷に関するよくある質問
この項では、ゴミ屋敷に関するよくある質問を紹介します。
Q.ゴミ屋敷を片付ける費用はどのくらい必要ですか?
A.部屋の広さとゴミの量によって変わるので、まずは見積もりを複数の業者に依頼しましょう。
Q.ゴミ屋敷を片付ける業者はどんなゴミでも引き取ってくれますか?
A.生ゴミや生き物・がれき・危険物・劇物・重機などは引き取ってくれません。専門業者に依頼しましょう。
Q.通販で買ったものならば返品できますか?
A.未開封できれいならば返品できますが、期間を過ぎていれば返品できないこともありますので、まずは確認しましょう。
Q.ゴミ屋敷を自分で片付ける場合の注意点はありますか?
A.人手をたくさん用意し、上着・長ズボン・マスクに軍手で作業に当たりましょう。
Q.ゴミ屋敷と汚部屋の違いはなんですか?
A.汚部屋は1部屋だけがゴミで埋まっている状態、ゴミ屋敷は家や敷地全体がゴミで埋まっている状態を指すことが多いでしょう。
まとめ
認知症が進行するまで気がつかない場合、発覚したときは家の中がゴミ屋敷と化しているというケースもあります。親や兄弟の認知症が疑われる場合、できるだけ早く様子だけでも見に行きましょう。家が散らかり荷物が少し増えている段階で片付ければ、ゴミ屋敷化するのを予防できます。