外壁は建築物の第一印象を決める大事な部分です。落書きされた外壁だと、周囲から良い目で見てもらえず、「この家は管理がなっていない」と悪い印象を持たれることになります。しかし、誤った方法で落書きを消すと、さらに外壁が傷ついてしまう恐れがあるでしょう。
そこで、本記事では、外壁についた落書きの正しい消し方を解説します。
- 外壁の落書きを自分で落とす方法
- 外壁の落書きを業者へ依頼する方法
- 外壁の落書きを予防するコツ
- 外壁の落書きに関してよくある質問
この記事を読むことで、落書きで汚くなった外壁をキレイにする方法とポイントが分かります。悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。
1.外壁の落書きを自分で落とす方法
最初に、外壁の落書きを自分で落とす方法について説明します。身近にある道具で消すことができるので、ぜひ参考にしてください。
1-1.まずは必要なものを用意しよう!
油性マジック・水性ペン・スプレーなど、外壁の落書きにはさまざまなものが使われています。スプレー等の落書きは非常にやっかいで、家庭用洗剤では落とすことができません。けれども、油性や水性ペンの汚れであれば、家庭にある道具で落とすことができます。自分で外壁の落書きを落とす際に用意しておきたいものは以下のとおりです。
- メラミンスポンジ
- たわし・ブラシなど
- コンクリート専用洗剤
- サラダ油
- エタノール
- 重曹
- クレンジングオイル
- 布またはぞうきん
- 溶剤
以上の道具があれば、簡単な落書きを落とすことができます。外壁に付着した溶剤の粒子を細かくすると落ちやすくなるので、高圧洗浄機があると便利でしょう。そのほか、研磨剤・紙やすりなども便利なアイテムです。
1-2.溶剤の選び方は慎重に
落書きを消すのに必要不可欠なのが「溶剤」です。溶剤は、落書きの成分を溶かすことができます。ホームセンターなどに行くと、落書き落とし専用のスプレー有機溶剤が販売されているので、気軽に購入できるでしょう。ただし、溶剤の中には、体に有害な成分が含まれているものもあるため、成分をよく確かめてから正しく使うことが大切です。なるべく、環境と体にやさしい成分が含まれている溶剤を使いましょう。
1-3.溶剤を使用した落とし方
溶剤を使った落書きの落とし方を順に説明します。
- 落書きに溶剤のスプレーを吹きかける
- ブラシや布でこすり取った後、落書きの上から塗装する
- または、研磨剤や紙やすりなどでキレイに整える
溶剤をかけても汚れが取れない場合は、塗装をして落書きを見せなくする方法があります。塗装ができない場合は、研磨剤や紙やすりを使いましょう。
ほかにも、水性インクは水をぬらしてたわしでゴシゴシこすれば落とすことができます。油性インクで書かれた落書きは、エタノールまたは消毒用アルコールをティッシュなどに染み込ませてから落書きを何度か押さえてください。そうすることで、インクの成分を浮かし落とすことができます。
1-4.塗装面・プラスチックの樹脂材に使う際は目立たない部分で試す
塗装面やプラスチックなどの樹脂材表面に溶剤を使用する場合、変色または脱色の恐れがあります。そのため、まずは目立たない部分で試してから使いましょう。たくさん溶剤をつけたほうが落ちやすくなると思われがちですが、使用上の注意や用量を守って使うことが大切です。また、作業にあたっては、溶剤で周辺の人やものへ被害が出ないよう、作業環境をしっかりと確保しておきましょう。
1-5.油性インクは重曹やクレンジングオイルでも落とせる
油性インクでついた落書きは、重曹やクレンジングオイルでも落とすことができます。溶剤による害が気になる方は、重曹がおすすめです。重曹は自然由来の成分でできており、研磨剤の役割を果たしてくれます。湿らせたコットンやタオルに重曹をつけ、落書きの箇所をこするだけでOKです。クレンジングオイルを使用する際も、コットンやタオルに含ませて、落書きの部分をたたいてみてください。最初は落ちにくいかもしれませんが、何度もたたくたびに薄くなります。
2.外壁の落書きを業者へ依頼する方法
自分で落書きを落とすことができない場合は、業者へ依頼するのも選択肢の1つです。ここでは、外壁の落書き消しを業者へ依頼するポイントを解説します。
2-1.スプレー等など落とせない汚れがついている場合
なかなか落ちないからと、力を入れてゴシゴシこすったり、無理に落としたりすると、逆に外壁が傷ついてしまう恐れがあります。さらに、落書きの成分が外壁材へ入り込み、落とせなくなってしまうのです。中へ自分で落書きを落とすことができない状況はもちろんのこと、スプレー等など家庭では落とせない落書きがついている場合も業者へ依頼してください。業者は高圧洗浄機や特殊な溶剤を使うので、キレイに落とすことができます。
2-2.どんな落書きもキレイになる
業者へ依頼する大きなメリットは、どんな落書きもキレイに落とせることです。自分で落書きを消すには、時間と労力がかかるでしょう。費用を安く抑えられるというメリットはありますが、やはり限界があります。特に、体力がない方や高齢者の方は、無理をするとケガをする恐れがあるため、業者へ依頼したほうが安心です。時間と手間をかけることなく、落書きを落とし、外壁が見違えるようにキレイになるでしょう。
2-3.高圧洗浄機や特殊な溶剤などを使った方法
業者や落書きの種類によって落とし方は多少違いますが、業務用の高圧洗浄機を使うところがほとんどです。高圧洗浄機は圧力をかけた水が放たれるため、外壁にこびりついた汚れを細かくし落とすことができます。たとえば、重曹・水・圧力・温度の4つの要素を調節した高圧洗浄機は、しつこい汚れでもキレイにすることが可能です。自然環境や人体への悪影響を配慮した洗浄システムを採用しているところもあるので、ぜひチェックしてください。
2-4.費用は1㎡あたり5,000円~
外壁材や汚れ具合などによりますが、落書き洗浄の目安はおよそ1㎡あたり5,000円~です。具体的な費用に関しては、業者の無料見積もりを依頼してください。落書きの範囲が広くなるほど、費用は高くなりがちです。なるべく費用を安く抑えようと低価格な業者を選びがちですが、安すぎる業者はきちんと洗浄をしてくれない傾向があります。適切な価格できちんと落としてくれるか洗浄方法を知ることが大切です。業者選びも重要なポイントといえるでしょう。
2-5.業者選びのポイントを知ろう!
どの業者に依頼すればいいのか分からない方は、以下のポイントに注目して選んでください。
- 外壁の落書き洗浄に長(た)けているか
- 洗浄方法や流れを具体的に説明してくれるか
- 無料相談や無料見積もりを受けつけているか
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 質問に対して分かりやすく答えてくれるか
- 口コミや評判がいいか
- 見積書の内訳が記載されているか
悪徳業者は、見積書の内容が大ざっぱな傾向があります。内訳が記載されていない業者には注意してください。複数の業者を比較し、優良業者と悪徳業者を見極めるのもポイントの1つです。
3.外壁の落書きを予防するコツ
キレイにした外壁を維持するために、落書きを予防するコツもチェックしておきましょう。
3-1.落書き予防塗料(コーティング剤)を使う
ホームセンター等では、落書き予防塗料(コーティング剤)が売られています。この予防塗料をキレイにした外壁に塗布すれば、再度落書きをされても消しやすくなるでしょう。気軽に塗布できるスプレータイプもあります。ただし、外壁材との相性が大切なので、塗料の選択で悩んだときは販売店の人に尋ねてください。インターネットで検索すれば、専用の販売業者から購入することもできます。予防塗料を自分で塗るのが面倒な方は、業者へ依頼するといいでしょう。
3-2.落書きを落としやすい外壁にする
さまざまな塗料の中でも落書き予防に最適だといわれているのが、ガラスコーティング塗料です。無機質なので劣化に強く、水性や油性のインクをはじき、外壁全体をコーティングしてくれます。しかし、ほかの外壁材や塗料よりも高額なのがデメリットです。費用が高額になると躊躇(ちゅうちょ)してしまいがちですが、落書き消しにかかるコストを考えると、落としやすい外壁材にするのがコストパフォーマンスで優れているでしょう。また、外壁の劣化を防ぐ効果も期待できるため、建築物の耐久性もアップします。
3-3.サイディング材には向かないので要注意
ガラスコーティング塗料は、確かに落書き防止になりますが、サイディング材には向いていないので注意が必要です。ガラスコーティング塗料は、コンクリートやタイルなどの外壁材に向いています。また、水をはじく特徴を持っているため、外壁の塗り替えに時間がかかるのもデメリットでしょう。落書き防止ができても、ほかにメリットとデメリットがあることをしっかりと押さえておかなければなりません。
4.外壁の落書きに関してよくある質問
外壁の落書きに関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.コンクリートの落書きを落とすコツは?
A.コンクリートには油汚れや水あか・コケなどもついているため、まずは表面の汚れをメラミンスポンジでこすり落とすことが大切です。家庭用のアルカリ性洗剤を使えば、ついたばかりの落書きながら落とすことができるでしょう。頑固な汚れがついている場合は、コンクリート専用洗剤を使ってください。基本的に、アルカリ性洗剤と同じく、落書きの箇所にかけて5~10分ほど放置し、水で洗い流すだけでOKです。それでも落ちない場合は、業者へ依頼したほうがいいでしょう。
Q.コンクリートの上から塗装して落書きを消す手順は?
A.塗料・薄め液・ハケ・トレイ・マスキングテープ・ブルーシート・新聞紙などを用意し、最初にホコリや汚れを高圧洗浄機またはブラシなどで洗い流しましょう。その後に、塗る範囲を決め、塗料を塗らない箇所をブルーシート等で養生します。ハケやローラーを使って塗り進めていき、一度塗りで乾いたら二度塗りをしてください。二度塗りをする際は、きちんと塗料が乾いたことを確認してから塗るのがポイントです。
Q.自分で高圧洗浄機を使用する際の注意点は?
A.外壁と高圧洗浄機を近づけないように気をつけてください。極端に近づけてしまうと、水圧で外壁が傷ついてしまう恐れがあります。最初は水圧を弱めに設定し、外壁との距離を測りながら強めていきましょう。また、高圧洗浄機のホースは短めのものがほとんどなので、ホームセンターで販売しているホースを購入すると使いやすくなります。ただし、高圧ホースが傷つくと多額の修理費用が必要となるため、雑に扱わないように注意してください。
Q.消しゴムや灰でも落書きは落とせるの?
A.ガラスやプラスチックなどの表面がなめらかで固い外壁材なら、消しゴムでも落書きを落とすことができるでしょう。ただし、こすり続けなければ消えないので、労力と根気が必要となります。完全に消すことはできないため、ほかの方法と併用したほうがいいでしょう。また、タバコなどの灰を湿らせた布につけてこするだけで、落書きを落とすこともできます。灰の細かい粒子が研磨剤の役割を果たしてくれるのです。
Q.落書きの予防を施すメリットは?
A.落書きを見つけて落とすたびに、時間と体力を消耗することになります。1回落書きをされた場所は、何度も狙われる可能性が高いため、できるときに予防を施しておきましょう。落書き防止のコーティング塗装を行うことで、落書きされても消去剤などで簡単に落とすことができます。時間と体力をかけずに、美しい状態が維持できるでしょう。落書きされるたびに落とすのが面倒、と感じている方は、入念に予防してください。
まとめ
外壁の落書きは、水性・油性・スプレーなどさまざまな汚れがあります。基本的に、水性は水性、油性は油性用の洗剤で落とすことができますが、スプレーは少しやっかいな落書きです。自分でなかなか落とすことができないタイプなので、その際は専門の業者へ依頼してください。業者に依頼したほうが時間と手間をかけず、スピーディーに落書きを落とすことができます。そして、外壁をキレイにした後は、再び落書きされないようにコーティングなどで対策を施しておきましょう。