お風呂のカビはとても頑固ですので、なかなか取り除くことができずに困っている方は多いでしょう。カビをきれいに除去するためには、カビが生える原因を知ることが大切です。原因をしっかりと把握しておけば、根本にアプローチできる方法で掃除できるでしょう。また、カビを除去した後は予防策を施すことも大切です。

本記事では、お風呂にカビが生える原因や予防策などについて解説します。

  1. お風呂にカビが生える原因は?
  2. お風呂のカビを予防する方法
  3. お風呂のカビを掃除するには?
  4. お風呂のカビに関してよくある質問

この記事を読むことで、お風呂のカビを予防する方法や掃除のポイントも分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.お風呂にカビが生える原因は?

最初に、お風呂にカビが生える原因をチェックしておきましょう。

1-1.カビが発生する3つの条件

お風呂にカビが生える原因は、カビが発生する3つの条件がそろっているからです。その条件とは、温度・水分・栄養の3つとなります。ご存じかと思いますが、カビはジメジメしている場所が大好きです。適度に暖かく、水分と栄養のある場所であるほど大量に発生する傾向があります。お風呂は常に水分がある場所ですし、適度に暖かく、髪の毛や皮脂汚れといった栄養も豊富ですのでカビにとっては絶好の住みかなのです。つまり、カビが発生する3つの条件を取り除けば、カビの発生を防げるということになります。

1-2.温度は20~30℃、湿度は70%以上の環境

お風呂にカビが発生する原因は3つの条件がそろっているからだとお話しましたが、その中でも温度と湿度に気をつけてください。特に、お風呂は温度と湿度が高くなる傾向にあります。カビなどの菌が繁殖しやすくなる環境は、温度が20~30℃ほど、湿度が70%以上だといわれているのです。水分があるほど湿度が高まり温度も一向に下がりません。そのため、しっかりと乾燥させることがカビを除去し防ぐ大事なポイントになるでしょう。

1-3.汚れを放置したままのお風呂場

体の汚れを洗い流すお風呂場には、さまざまな汚れが蓄積されやすい環境下にあります。お風呂掃除が面倒だからと汚れを放置すればするほど、カビ菌が繁殖しやすくなるでしょう。カビを除去しても再び発生するのは、汚れを放置しているのが原因です。後ほど、【2.お風呂のカビを予防する方法】でも詳しく説明しますが、カビを防ぐためには適度にお風呂を掃除しなければなりません。皮脂の汚れや石けんの泡など、カビが大好物なエサがお風呂場にはたくさん潜んでいます。

1-4.カビの特徴もチェックしよう!

カビの発生原因を知ることは、最適な防止策を立てるには大切なことです。そして、カビの特徴をしっかりと把握することも、原因を知って防ぐための重要な要素となります。カビといってもさまざまな種類がありますが、大きく分けると黒いカビと赤いカビの2種類です。
黒いカビはお風呂のパッキンなどでよく見かけるでしょう。カビ菌の胞子を空気中に飛ばしているので、喘息やアレルダンジーの原因になることもあります。根を張ってしまうと困難な汚れになるため、早めに除去しなければなりません。
赤いカビもよく見かけるカビですが、害はほとんどないでしょう。ただし、黒いカビの栄養になってしまうので放置すると黒いカビが繁殖してしまいます。黒いカビの発生を防ぐためにも、赤いカビは早めに除去することが大切です。

2.お風呂のカビを予防する方法

ここでは、お風呂のカビを予防する方法やポイントを解説します。

2-1.浴室用の防カビ煙剤を活用する

カビは目に見えない菌がいつの間にかお風呂の壁や床に張り付き、根を張るものです。そのため、カビを未然に防ぐためには、目に見えないうちからきちんと予防しておく必要があります。そこで、役に立つのが浴室用の防カビ煙剤です。防カビグッズにはさまざまな種類がありますが、煙剤は浴室の隅々にまで行き渡るのが特徴となります。なかなか手が届かないお風呂の四隅まで、カビ菌を除菌できるでしょう。浴室をまるごと除菌できるのも手間と時間がかからないのでおすすめの予防策です。

2-2.カビ菌が潜む天井を掃除する

お風呂のカビを予防するためにぜひ実践してほしいのが、天井を掃除することです。カビ菌はお風呂の壁や床に張り付くものだと思われがちですが、意外と天井に潜んでいます。換気扇で巻き上げたホコリ・湯気の湿気などによって、目に見えないカビ菌が天井に張り付いている可能性が高いのです。たとえ、床や壁を掃除しても天井にカビ菌が潜んでしまうと、そこからカビ菌の胞子が飛び散り再び生えてしまうことになります。なお、天井の掃除手順は以下のとおりです。

  1. モップにキッチンペーパーを2~3枚重ねるように巻きつける
  2. キッチンペーパーがしっとり湿るくらいにアルコール除菌スプレーを吹き付ける
  3. モップを上に向けて、床と同じように天井全体を拭く

天井の掃除に加えて、換気扇の掃除も済ませておくことをおすすめします。

2-3.水気を切り、こまめに換気する

お風呂場はどうしても水分が残る場所ですので、完璧に水分を切ることはできませんが注意することはできるでしょう。たとえば、最後にお風呂に入った人が栓を抜き、浴室内を拭き上げるなどです。最初に軽く全体をシャワーで洗い流し、体を拭いたバスタオルなどで壁・床・天井についた水滴を拭いてください。また、スクイージーを使えば、すぐに水気を切ることができます。さらに、カビの発生を防ぐために、こまめに換気をすることも大切なポイントです。最低でも2時間以上は換気扇を回してください。お風呂に入っている時間以外は換気するのもおすすめです。換気の時間が長ければ長いほど、予防効果を高めることができるでしょう。

2-4.お風呂上がりに熱いお湯をかける

お風呂上がりに、シャワーなどで50℃以上の熱いお湯を浴室全体にかけるのもカビ予防に役立ちます。カビは熱湯に弱い特徴があるため、50℃以上の熱いお湯をかけることで撃退できるというわけです。カビが生えやすい箇所に90秒ほど熱いお湯をかければ、奥深くまで入り込んだカビも根絶できるでしょう。ヤケドに注意しながらも、1週間に1回を目安に熱いお湯をかけるといいですよ。また、熱いお湯をかける日以外は、お風呂に入った後、冷水をかけて浴室内の温度を下げてください。冷水をかけることで温度が下がるだけでなく、エサとなる石けんカスなども笑い流せます。

3.お風呂のカビを掃除するには?

それでは、お風呂のカビを掃除する方法について説明します。

3-1.必要な道具を準備しよう

お風呂のカビ掃除に必要な道具は以下のとおりです。

  • 手袋
  • ブラシ
  • スポンジ
  • マイクロファイバータオル
  • 洗面器
  • 重曹
  • 酸素系漂白剤

重曹は自然由来の成分でできているので、刺激成分が入っている洗剤を使いたくない方におすすめです。重曹には研磨作用があるほか、汚れを中和したり浮かしたりすることができます。また、除菌効果や消臭効果も期待できるため、お風呂掃除にはもってこいの洗剤といえるでしょう。

3-2.カビ掃除の手順

必要な道具が準備できたら、以下の手順でカビ掃除をしていきます。

  1. 手袋をはめて、重曹と酸素系漂白剤を1:1の割合で混ぜる
  2. 少量の水で溶かしながら手で混ぜていき、ペースト状にする
  3. ペースト状にしたものをカビの部分に塗り付ける
  4. 2時間ほど放置して洗浄成分を浸透させる
  5. 洗剤残りがないようにしっかりと洗い流して完了

カビが根付いてしまう前の状態であれば、上記の方法でカビを落とすことができるでしょう。ただし、すでに根付いてしまっている場合は塩素系漂白剤と片栗粉を使った方法がおすすめです。塩素系漂白剤と片栗粉を1:1のペースト状にしてカビの部分に塗り付け、5分間放置するだけで後は上記の流れと同じ手順となります。重曹と酸素系漂白剤では落ちなかったときにぜひ試してみてください。

3-3.乾かしてから掃除する

カビをきれいに掃除する際は、必ず濡れていない状態にしてから始めてください。お風呂場が濡れている状態で掃除を始めてしまうと、洗剤が水で薄まり効果が弱まってしまいます。換気扇を回して乾かすか、残っている水分をバスタオルなどで拭き取ってから掃除をしましょう。また、カビを掃除する際、ゴシゴシこするのはNG行為です。徹底的にカビを落とそうと、力を入れてゴシゴシこする人がいますが、それでは余計にカビ菌が奥まで根付いてしまう原因になってしまいます。特に、やわらかいゴムパッキンの部分では、こすると傷がついてしまうので気をつけてください。カビの掃除はこするのではなく、洗剤をしっかりと浸透させることが大切です。

3-4.ハウスクリーニング業者などに依頼する

自分でいくら掃除してもカビを除去できない場合は、ハウスクリーニングといった専門業者に依頼するのも選択肢の1つです。浴室のクリーニング作業を行っている専門業者は掃除のプロですので、カビに効果的な洗剤や専用機器などを使ってスピーディーに除去します。手間と時間をかけずにカビが除去できるのはうれしいポイントです。ただし、掃除費用はかかりますので、事前に見積書をしっかりと確認しておかなければなりません。

4.お風呂のカビに関してよくある質問

お風呂のカビに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.浴槽にフタはしたほうがいいのか?
A.浴槽にお湯を溜めているときは、入浴中以外フタをしておいたほうがいいでしょう。開けっ放しにしていると、湯気によって浴室内の温度や湿度が上がってしまうからです。フタをすることでカビが生えにくい環境にすることができます。また、お湯の保温効果にもなり、エコにもつながるでしょう。残り湯を上手に活用すれば、洗濯にも使えるのでフタの使用はいろいろな面でメリットが生まれます。

Q.市販のカビ取り剤でも落とせるのか?
A.市販のカビ取り剤でもカビの掃除に役立ちますが、あくまで中程度のカビに効果があります。すでにカビが根付いている状態では、市販のカビ取り剤で落とすことは難しいでしょう。なお、カビ取り剤を使用する際は、カビから15cmほど話した位置からスプレーしてください。そこから15~30分ほど放置し、シャワーでしっかりと洗い流すのがポイントです。

Q.くん煙を使用する際のポイントは?
A.容器に水を入れすぎたり、水が少なすぎたりしないように注意することです。くん煙剤の容器に記載されている線まで水を入れることになりますが、必ずその量を守ってください。また、缶を逆さにセットしてはいけません。間の入れ方を間違ってしまうと、煙が出ないことがあります。くん煙を使用する際は、必ず注意点を読んでから使いましょう。

Q.カビの栄養素を取り除くコツは?
A.栄養となる汚れが溜まりやすい場所を中心に掃除をすることです。たとえば、洗い場周辺の壁・床、汚れが流れ込む排水口周辺に髪の毛や皮脂汚れが溜まりやすい傾向があります。体を洗うときの肩より低い位置にある壁は汚れがつきやすいため、こまめにチェックしておきましょう。

Q.シャンプーやリンスなど収納にも気をつけたほうがいいのか?
A.意外と盲点になるのが、シャンプーやリンスなどの収納箇所です。ここは汚れが溜まりやすい場所になるので、汚れが溜まらないように気をつけておかなければなりません。シャンプーボトルや洗面器の周辺はなるべく掃除がしやすい状態にしておきましょう。たとえば、ボトルをじか置きせず、S字フックにかけて浮かせたり、イスはバスタブのフチに引っかけたりするなどです。基本的に浮かせることで、通気性がぐっとよくなり、汚れが溜まりにくい環境を作ることができます。S字フックなどは100均一ショップ等で手に入るので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

お風呂にカビが生える原因は、高温・多湿・栄養とカビが生えやすい3つの条件がそろっているからです。お風呂に黒カビが発生している場合、目に見えないカビ菌が漂っている可能性があります。放置するほど、どんどんカビは繁殖してしまうので早めに除去しておかなければなりません。そして、カビを除去した後は、再び生えないように対策を施す必要があります。カビが発生する条件を抑えておけば、未然に防ぐことができるでしょう。