猫を飼っている人で「部屋の臭いで困っている」という人は多いものです。猫は犬と違い、体臭はほとんどないのですが排せつ物の臭いが数倍もきつくなります。そのため、きちんと臭い対策をしないと、部屋だけではなく「飼い主さんの洋服から臭いがする」ということも多いのです。

ここでは、どうやったら臭いが取れるのか、効き目のある対策を試したいとお考えの人に向け、猫の臭いの消臭方法・便利グッズなどの情報をご紹介します。

  1. 猫のいる部屋の消臭について
  2. 猫の臭いの予防法
  3. 猫の臭いに関するよくある質問
  4. 猫の臭い対策まとめ

この記事を最後まで読んでいただければ、どのような対策をすればいいのかがわかります。ぜひお悩み解決にお役立てくださいね!

1.猫のいる部屋の消臭について

それでは、部屋の消臭方法について具体的に取り挙げていきましょう

1-1.消臭の基本

猫のいる部屋だけに限らず、住居・車・体臭などすべての消臭の基本は、「悪臭をほかのニオイでごまかさない」ことです。
部屋が臭いからと、香りの強い芳香剤などを置いたりスプレーをしたりしても効果はありません。それどころか、ニオイが混ざり合い強烈な悪臭となってしまいます。消臭とは「ニオイの原因そのものを消すこと」と思ってください。また、消臭と共に除菌をすることも大切です。

1-2.トイレの消臭について

猫トイレはどのように消臭すればいいのでしょうか。ポイントを順番にご紹介しましょう。

1-2-1.トイレは毎日こまめに掃除をする

トイレは常にきれいであるように掃除をすることが大切です。猫は本来とてもきれい好きな動物で、トイレが汚いままだと、排せつを我慢したりほかの場所でしてしまったりすることがあります。毎日必ず、こまめにトイレ砂の中から排せつ物を取り除き、新しい砂を補充してください。

  • ウンチの場合:専用のスコップでウンチをすくい、余分な砂を十分に落としてからトイレに流す。
  • おしっこの場合:おしっこをした部分の猫砂が固まったら、その部分をスコップですくって捨てる

注意点
猫のウンチをトイレに流す場合、砂をよく落とさないとトイレが詰まってしまうこともあるので気をつけてください。自治体によっては「燃えるごみ」で出せることもあるので確認しましょう。ウンチ袋に入れしっかり密閉し、収集日の朝に出すなどマナーを守って出してください。
また、猫砂は原材料により、燃えるごみか燃えないごみか異なります。「トイレに流せる」タイプもあるので製品の注意事項などをよく読んで処分してください。

1-2-2.トイレ周辺・トイレ自体も掃除をする

トイレの周辺や床などに、おしっこの飛び散りがないかを確認しましょう。猫がなめても大丈夫なペット専用お掃除シートなら、拭くだけではなく除菌と消臭が同時にできます。
「お湯(40℃程度。熱湯はおしっこに含まれるタンパク質を固めてしまう)」に浸してから、固くしぼったぞうきんでもいいでしょう。お湯はアンモニアの成分を分解して消臭する効果があります。
また、トイレの容器自体の清掃も定期的に行ってください。トイレから猫砂を取り出し、塩素系漂白剤を入れたぬるま湯にイレ容器全体をつけてからスポンジで洗い、日陰で十分に乾かしましょう。消臭と除菌が同時にできます。

注意点
トイレの容器を洗って乾かしている間は、予備のトイレを置いてください。猫は、トイレが見当たらないと別の場所でしてしまうこともあります。また、嗅覚が敏感なのでトイレの容器を洗うときに香りの強い洗剤を使わないようにしてください。

1-3.食べ残しの処分

猫がご飯を残したら、そのまま放置せずにすぐに片付けてください。容器も使うたびにペット用食器洗剤(※)できれいに洗いましょう。外出する場合は、時間を決めてフードをあげることができる自動給食器を使うのがおすすめです。

※ペット用食器洗剤:普通の食器用洗剤だと、猫や犬が食事をしたあとに残る独特のヌルヌル(バイオフィルム)が落ちません。専用の洗剤のほうがあっという間に汚れを落とせて便利です。

注意点
ウエットのフードは、ドライフードよりも放置すると臭います。食後、すぐに片付けができない場合はドライフードにするほうがいいでしょう。

1-4.部屋の消臭

トイレだけではなく、部屋全体の消臭対策も必要です。

  • こまめに換気をして臭いがこもるのを防ぐ
  • 無臭の消臭ビーズを猫トイレの周りに置く
  • カーテンやソファーカバー、クッションカバーなど「布製品」は臭いを吸収するため、こまめな洗濯を
  • ペットに安全・安心な無香料の除菌・消臭スプレーを使う

1-5.もし粗相をしてしまったら?〜消臭・除菌対策〜

粗相をした場合の消臭・除菌対策をご紹介します。

フローリングにおしっこした場合

  1. スプレーボトルに、ぬるま湯500mlとクエン酸(穀物酢でも可)を大さじ1杯とかし、クエン酸水を作る
  2. おしっこを拭き取ったあと、1をスプレーして拭き取る

カバーが外せないソファーやクッションにおしっこをした場合

  1. すぐにキッチンペーパーなどでおしっこを吸い取る
  2. 水で2〜3倍に薄めたクエン酸水をかけブラシでたたき込む
  3. 2をタオルで吸い取る
  4. 重曹をふりかけ1日放置する
  5. 掃除機で4を吸い取る

布団におしっこした場合
丸洗いをしたほうが臭いが取れます。おもらしした場所に洗剤をかけ、バスタブに布団を入れ足で踏みながら洗いましょう。

トイレや餌場のこまめな掃除が大切なんですね。
はい。粗相の始末も丁寧にしましょう。

2.猫の臭いの予防法できるグッズ

猫の臭いを予防するには、前項でご紹介した掃除と消臭対策をすべてこまめに行ってください。さらに、市販のグッズを利用することでより消臭・除菌効果はアップするでしょう。

2-1.臭い対策に便利なグッズは?

猫の臭い対策に便利なグッズには以下のようなものがあります。

  • 空気内に漂う悪臭を消すだけではなく、ウイルスなども除菌するコンパクトな空気消臭除菌装置
  • 万が一、ペットがなめても大丈夫な成分を使っているため、全国の動物病院でも使用している消臭・除菌スプレー
  • 1週間交換不要の「消臭・抗菌シート」がおしっこを吸収し、抗菌剤が臭いを抑える消臭・抗菌トイレ。表面がいつもサラサラで清潔を保(たも)てる
  • 強力な脱臭機能と集じん機能を持つ脱臭機。しつこい臭いも素早く脱臭し、空気中に漂う毛もキャッチする

など、いろいろな種類があるので上手に利用してください。

2-2.猫の臭い対策の注意点

市販の消臭剤やお掃除シートを購入するときには、必ず「ペットに安全な成分を使用している製品」を選んでください。動物病院で使用しているものであれば安心して使えます。
また、人間にはリラックス効果などをもたらすアロマオイルですが猫にとっては危険です。アロマオイル中毒の例もあるので使用しないほうがいいでしょう。お香も猫への毒性がある成分を含むものがあるので、使わないようにしてください。

猫の臭い予防グッズはたくさんあるんですね。
はい。ペットの安全を優先して選びましょう。

3.猫の臭いに関するよくある質問

「猫のいる部屋」の臭いに関するよくある質問をご紹介しましょう。

Q.普通の人間用消臭スプレーを使ってはダメですか?
A.市販の消臭スプレーの中には、動物にとって刺激が強い成分が入っていることも多いので使用しないほうがいいでしょう。嗅覚が敏感な猫でも大丈夫な「ペット専用」の消臭・除菌スプレーを選んでください。

Q.猫を飼っていますがもう1匹増える予定です。トイレも増やしたほうがいいでしょうか?
A.猫はきれい好きなので1匹に1個、つまり最低でも2個は置いて清潔を保つようにしてください。もし、2階建ての家なら、1階と2階の両方に2個ずつトイレを設置しましょう。

Q.猫がトイレまで間に合わずに手前でおしっこをしてしまいます。どうしたらいいでしょうか。
A.1日に何度もトイレに行く・トイレが間に合わずに粗相しやすい・元気がないなどの場合、泌尿器系の病気の可能性も考えられます。1度獣医師の診察を受けて相談してみましょう。病気予防にもなるので定期的な健康診断も受けてください。

Q.猫の臭い対策として掃除や消臭以外にも何かありますか?
A.毎日食べるフードも注意しましょう。安価で品質の悪い製品のなどを場合、排せつ物の臭いがきつくなります。穀物(消化不良の原因になる)や合成の添加物を使っていない、品質の高いフードをあげましょう。

Q.猫のトイレはどのような場所に置くのがいいのですか。
A.人間と同じで、猫も排せつは落ち着いた場所ですることを好みます。直射日光が当たらない・風とおしがいい・人があまりとおらない・うるさくない・食事をする場所から離れているところに設置しましょう。

猫の臭い対策まとめ

猫を飼っている人のお悩みといえば「部屋の臭い」です。特に、猫のおしっこは強烈な臭いがするので対策が欠かせません。そこで、今回は猫の臭いの原因や対策、掃除方法などをご紹介しました。基本的には、こまめにトイレ掃除をすることが大切なのですが、市販の消臭グッズを上手に利用することで臭いは軽減できます。いろいろ試してみましょう。また、猫の粗相が続く場合は泌尿器系のトラブルも考え、早めに獣医師の診察を受けてください。猫自身が臭い(口臭がする・こうもん腺が臭うなど)場合も、健康診断も兼ねて獣医師の診察を受けましょう。