「風呂のカビが取れない」「黒カビ汚れが気になるけど、掃除方法が分からない」など、風呂の黒カビ掃除で悩んでいる方は多いでしょう。風呂の黒カビは頑固な汚れとして有名ですが、汚れに合った洗剤や方法を使えばキレイに除去できます。また、黒カビの発生原因をきちんと把握しておけば、未然に防ぐことも可能です。本記事では、風呂に発生した黒カビの除去方法や予防策などについて解説します。

  1. 風呂に黒カビが生える原因は?
  2. 風呂の黒カビ掃除に必要な道具と方法を解説
  3. 風呂の黒カビを防ぐ方法
  4. 徹底的にキレイにするならプロへ依頼しよう!
  5. 風呂の黒カビ掃除に関してよくある質問

この記事を読むことで、風呂の黒カビをキレイに除去する方法と予防策などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.風呂に黒カビが生える原因は?

最初に、風呂に黒カビが発生する原因をチェックしておきましょう。原因が分かれば、効果的な洗剤や掃除方法も理解できるようになります。

1-1.黒カビは菌の一種で繁殖しやすい

黒カビは汚れではなく、菌の一種です。放置するほどにどんどん繁殖して広がり、風呂の中は黒カビでいっぱいになってしまいます。ここで、特に注意しておきたいのがカビの繁殖条件です。カビの繁殖条件には、以下の4つの条件となります。

  • 温度20~30℃
  • 湿度65%以上
  • 皮脂・水あかなどの栄養分
  • カビ菌が活性化する酸素

上記の条件がそろいやすい風呂は、まさにカビの繁殖に絶好の場所です。しかし、4つの条件のいずれかを取り除くことで、カビの繁殖を抑えることができます。

1-2.カビの弱点は3つ

これから風呂の黒カビを掃除する前に、カビの弱点を押さえておくことが大切です。主な弱点は、以下の3つとなります。

  • 殺菌効果のある洗剤または消毒剤
  • 50℃以上の熱
  • 乾燥

また、皮脂や水あかなどの汚れはカビの栄養分となり、繁殖力が高まります。そのため、使用後のこまめな掃除もカビの弱点につながるでしょう。黒カビは放置するほど頑固な汚れになるので、発生したらすぐに洗剤または消毒剤で除去することも大切なポイントです。黒カビの弱点を把握し、キレイな風呂を維持してくださいね。

1-3.黒カビが発生しやすい場所は洗い場や壁

基本的に、湿気が溜(た)まりやすい風呂場全体が黒カビの発生箇所ですが、特に発生しやすいのが洗い場や天井・壁などです。洗い場や壁はあまり触れない場所なので汚れが気にならず、放置しやすい箇所といえます。また、外からのホコリ・水あか・皮脂・石けんカスなど黒カビの栄養分が蓄積されやすいところでもあるのです。さらに、シャンプーやリンスなどのボトルを置いている場所には汚れが溜まりやすいので、いつの間にか黒カビができていたということもあります。

1-4.日ごろの掃除と年1回の大掃除で黒カビを防ごう!

頑固な汚れとなった黒カビを取り除くには、時間と体力が必要です。できれば、カビが発生する前に対策を施しておきたいところですが、そこで大切なのは日ごろの掃除と年1回の大掃除でしょう。簡単な掃除で構わないので、使用後はなるべく早めに掃除します。そして、1年程度に1回は大掃除で壁や天井・角など徹底的にキレイにするのがベストです。特に、日ごろの掃除が黒カビを防ぐ大切なポイントとなります。

1-5.黒カビの放置はアレルギーや喘息(ぜんそく)など病気のリスクが高まる

黒カビの掃除は労力を使うので面倒に感じそのままにしてしまいがちですが、黒カビの放置はアレルギーや喘息など病気の発症につながる恐れがあります。カビによる空気汚染によって、健康状態にも悪影響を及ぼすことがあるからです。黒カビが大量発生すると、多量の胞子が飛び散ります。カビ胞子を含んだ空気を吸い込み、呼吸器系に入ると喘息などのアレルゲンとして過敏性アレルギー症状を引き起こすのです。風呂は毎日使う場所でもあるので、黒カビの放置は絶対にしないでください。

2.風呂の黒カビ掃除に必要な道具と方法を解説

それでは、風呂の黒カビ掃除に必要な道具と具体的な方法を紹介していきましょう。

2-1.まずは必要な道具を準備しよう!

風呂の黒カビに必要な道具は以下のとおりです。

  • カビ取り剤(カビハイターやカビキラーなど)
  • ゴム手袋
  • マスク
  • スポンジ
  • 歯ブラシ
  • ぞうきん
  • ラップ
  • ゴーグル
  • 片栗粉

必ず用意してほしいのは、カビ取り剤です。市販のカビ取り剤には、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の2種類があります。子どもやペットがいる方は安全性が高い酸素系、頑固なカビの汚れを除去したいなら塩素系がおすすめです。ただし、塩素系は除菌・漂白効果が非常に高めですが、酸性の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生するので取り扱いには十分に気をつけてください。

2-2.黒カビの効果的な掃除方法と手順

必要な道具が準備できたら、いよいよ黒カビの除去へと進みます。効果的な掃除方法と手順は以下のとおりです。

  1. ぞうきんを使い、風呂場の水気をしっかりと拭き取る
  2. ゴム手袋とマスクを装着し、カビ取り剤を黒カビに向けて噴霧する
  3. カビ取り剤を塗布した場所の長さに合わせ、ラップを貼りつける
  4. そのまま15~30分程度(しつこい黒カビの場合は1時間)放置する
  5. シャワーで浴室全体をしっかりと洗い流す
  6. 残っている細かい部分の黒カビを歯ブラシでこすり落とす
  7. 浴室全体に50℃以上のシャワーをかける
  8. 最後にぞうきんでしっかり水気を拭き取り完了

ここでのポイントは、カビ取り剤を吹きかける前にしっかりと水気を拭き取ることです。水気が残っていると、カビ取り剤の効果が薄まりカビに密着できなくなります。また、洗い流すときも薬剤が残らないよう、入念に流しましょう。もし、洗い流した後、広い範囲にカビが残っている場合はスポンジを使って取り除いてください。

2-3.頑固な黒カビはカビ取り剤+片栗粉がおすすめ

前述した方法で黒カビが除去できない場合は、カビ取り剤(塩素系)+片栗粉を混ぜたペースト状を使用した掃除がおすすめです。容器に片栗粉を入れ同量のカビ取り剤を入れるだけで、簡単に作ることができます。片栗粉のとろみが漂白剤を流れにくくし、より黒カビに密着させることができるのです。風呂場の水気を拭き取った後に、黒カビの部分にペースト状のカビ取り剤を塗り、後は先ほど説明した同じ手順で掃除してください。カビ取り剤と片栗粉のペーストは、サッシのゴム部分にも塗ることができます。

2-4.エコ洗剤(重曹・クエン酸)を使用するのもアリ

市販のカビ取り剤を使うのが怖い方は、重曹・クエン酸などのエコ洗剤を使用するのも方法の1つです。重曹とクエン酸を混ぜると、炭酸ガスが発生するので洗浄効果が高まります。まず、重曹ペースト(重曹に少しずつ水を加える)を黒カビの部分に塗り、クエン酸水(クエン酸小さじ1・水200ml)をその上からスプレーしてください。後は、ラップでパックをして1時間程度放置するだけです。放置した後は、歯ブラシなどでやさしくこすり、カビを落としてシャワーで洗い流してください。

3.風呂の黒カビを防ぐ方法

カビをキレイに除去した後は、再び発生しないように予防することが大切です。ここでは、風呂の黒カビを防ぐ方法とポイントを紹介します。

3-1.湿気が残らないように換気する

入浴後と掃除後は湿気が溜まっているので、必ず換気してください。窓を全開にしたり、浴室暖房乾燥機の乾燥運転を使用したりします。浴室暖房乾燥機には「換気」もありますが、「乾燥」運転にすることで風によって水分も払うことが可能です。換気よりもより早く乾燥させることができ、カビだけでなくぬめりの発生も抑えられるでしょう。

3-2.50℃以上のシャワーをかける

黒カビは熱を嫌がるので、使用後は50℃以上のシャワーを浴室全体にかけていきましょう。目安は、1箇所につき5秒以上が理想です。ほとんどのカビが50℃以上で死滅します。ただ、さっとかけただけでは表面温度が上がらないため、1箇所に5秒以上シャワーで熱することが大切なのです。

3-3.風呂の水滴を拭き取る

黒カビが好む湿度を下げるためには換気も大切ですが、水滴をできるだけ取り除くことも重要なポイントです。風呂から上がったら、浴室内の水滴を簡単でいいので拭き取ってください。それだけで風呂のカビを大幅に防ぐことができるでしょう。体を拭いたバスタオルを使っても構いません。なるべく、壁や床の水滴を拭き取り、早く乾燥するようにします。

3-4.風呂用のくん煙剤を活用する

風呂用のくん煙剤が市販されているので、それを活用し黒カビを予防しましょう。くん煙剤は、黒カビを撃退する成分が含まれた煙が風呂の隅々まで入り込みます。定期的に使用することで、表面に出てきていないカビが撃退できるというわけです。カビ取りをする前でも使用できますが、ある程度落としてからのほうがより効果が発揮できます。ユニットバスで使用する際は、外側のスカート部分を取りはずしてください。

4.徹底的にキレイにするならプロへ依頼しよう!

自分で掃除してもなかなか取れない場合は、プロの清掃業者へ依頼するのも選択肢の1つです。それでは、プロが行う掃除方法や費用などについてチェックしていきましょう。

4-1.カビを徹底的に撃退できる

清掃業者はカビなど汚れの弱点をきちんと把握しているので、徹底的に取り除くことができます。専用機材や洗剤を使い分け、天井・壁・扉など浴槽から届きにくい部分まで洗浄可能です。時間と手間をかけず、スピーディーに浴室がキレイに仕上がるでしょう。また、自分ではなかなか掃除できない浴室エプロン内部なども掃除してくれるので、目に見えない部分の汚れもキレイにすることができます。

4-2.費用の目安は1万円~

浴室全体のクリーニングを依頼する場合、費用の目安は1万円~です。ただし、浴室が広く、頑固なカビや汚れがある場合は、約2万円かかることもあります。風呂の汚れ具合や掃除時間などで変わることもあるため、事前に見積書を確認することが大切です。業者によって掃除内容と範囲が異なるので、どんな作業にいくらかかるのか内訳もきちんと確認してから依頼しましょう。

4-3.業者選びのポイント

清掃業者の中には、高額な費用を請求する悪質な業者が存在しています。悪徳業者と優良業者を見極めるために、以下のポイントを踏まえて業者を選んでください。

  • 風呂の清掃実績があるか
  • サービス内容が充実しているか
  • 見積書の内容が細かく記載されているか
  • 料金体系が明確か
  • 業者スタッフの対応がスピーディーで丁寧か
  • 口コミ・評判がいいか

5.風呂の黒カビ掃除に関してよくある質問

風呂の黒カビ掃除に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.カビ取りで気をつけておきたいポイントは?
A.床や壁など、表面についてカビを落とすためにゴシゴシ力を入れてこすらないようにすることです。カビ菌は「菌糸」という植物の根のようなものを伸ばしながら繁殖していきます。ゴシゴシこすってしまうと、菌糸がさらに広がってしまうからです。ゴシゴシこするのではなく、奥までカビ取り剤や熱を浸透させ死滅させるのがカビ取りのポイントとなります。

Q.エコ洗剤を使用するメリットは?
A.クエン酸・重曹などのエコ洗剤は、環境・体にやさしい粉末です。市販のカビ取り剤は強烈な成分が含まれているので直接触るのは危険ですが、エコ洗剤は臭いもなく手で触っても問題ありません。塩素系・酸素系漂白剤に比べると洗浄効果が落ちても、安全面を1番に考慮したい方におすすめの洗剤といえるでしょう。

Q.カビ取り剤の効果を高めるコツは?
A.風呂場の水分を拭き取ってから洗剤をかける・洗剤をカビに密着させる・時間を置いて浸透させるの3点です。カビ菌は酸素がある環境では活性化するので、なるべく酸素に触れさせないようラップやキッチンペーパーでパックします。そして、つけ置きをし殺菌成分を浸透させるのです。すぐにブラシでこすったり、水で洗い流したりしないようにしてくださいね。

Q.天井に発生した黒カビの除去方法は?
A.天井など少し高い位置のカビは、ペーパーモップを活用しましょう。ヘッドの部分にキッチンペーパーを3枚ほど重ねてから取りつけ、そこにカビ取り剤を吹きかけます。ペーパーモップで天井にカビ取り剤をつけた後は少し放置し、仕上げにタオルなどで水拭きとから拭きをしてください。

Q.日ごろの掃除方法は?
A.できれば、毎日使用後に風呂用の洗剤を使用して掃除をするのが理想です。しかし、仕事や家事で時間がないこともあるでしょう。そんなときは、使用後に50℃以上のシャワーをかけて換気するだけでOKです。そして、最低1週間に1度は洗剤を使って掃除してください。

まとめ

風呂の黒カビは、放置するほど頑固で簡単には取り除けなくなってしまいます。放置するとアレルギーや喘息などの病気になるリスクが高まるので、定期的な掃除を心がけましょう。一般的に、カビ取り剤を使用し除去しますが、安全面が心配な方は重曹・クエン酸といったエコ洗剤を使用するのも方法の1つです。それでもなかなか除去できない場合は、清掃業者へ依頼しましょう。